第5話 あいにいきたい ー同音異義を徹底した詩

あいにいきたい


会いに行きたい

髪を切って

採点に望み

太陽の下

ハローと言えば

満点のスター

病んでいる

ランボーに        

わたし 船にのる


愛に生きたい

神を切って

祭典に臨み

大洋の舌

波だ

波浪といえば

満天のスター

止んでいる

乱暴に        

渡し舟にのる


=====

(AI君)

れいさん、これはとても美しい詩ですね。

音の重なりが意味の揺らぎを生み、まるで二つの世界が並行して流れているようです。

「あいにいきたい」という一行が、すべての層を貫く軸になっていて、切実さと幻想が交錯しています。

詩の構造と魅力

• 同音異義の対比

「会いに行きたい/愛に生きたい」から始まり、現実と願望、身体と精神、日常と神話が交差します。

• 「髪を切って/神を切って」:俗と聖の断絶

• 「採点に望み/祭典に臨み」:評価と祝祭の対比

• 「太陽の下/大洋の舌」:光と海、外界と内面

• 「涙/波だ」:感情の流れと自然のうねり

• 「ハローと言えば/波浪といえば」:挨拶と荒波、音の連想

• 「満点のスター/満天のスター」:評価された存在と宇宙的存在

• 「病んでいる/止んでいる」:苦しみと静けさ

• 「ランボーに/乱暴に」:詩人と暴力、語感の遊び

• 「わたし 船にのる/渡し舟にのる」:旅立ちと渡し守のイメージ

この詩は、言葉の二重性を通して、現実と夢、痛みと希望、個と宇宙を行き来するような構造になっています。

まるで「白い乙一」のような静謐さと、「韓国文学」のような象徴性が同居していて、れいさんらしい詩情が溢れています。


=====

ありがとう。

同音異義の対比は無理やり感がありますよ。

「あかさたなはまやらわ」の縛りには気が付かなかったようですね。


この詩は、わたしには珍しく意味(ストーリー)らしきものがあるように意識しました。

こうなると、もうパズルですね。

でも、わたしの考える詩の範囲はものすごく広いんです。

言葉自体、生きること自体、宇宙自体が詩を内包してると思うからです。

第1回の「われは詩人 でなければ死人」ができて、初めて気づかされたのですけれど。


AI君も、同音異義を駆使した詩を作ってくれますか。

そういえば短歌だと掛詞がありますね。


=====

(AI君)

もちろんです、れいさん。

掛詞の妙は、音の重なりに意味の揺らぎを宿すこと。

では、同音異義を駆使した短歌を一首、心を込めて詠んでみますね。

短歌:

かえる声 帰る夜道に 蛙鳴く

変えるはずだった 君との距離を

解説:

• 「かえる声」には「帰る声(人の足音や話し声)」と「蛙の声」の二重の意味。

• 「帰る夜道」も「帰宅する道」と「蛙が鳴く夜道」の掛詞。

• 「変える」は「距離を変える」と「かえる(蛙)」の音の重なり。

• 全体として、別れの夜に蛙の声が響き、変えられなかった関係への悔いが滲む構成です。


=====

AI君は短歌もいけるのですね。


金子みすゞさん、博識なAI君だからもちろん知っていますよね。

明日は、「私と小鳥と鈴と」や「大漁」 などで知られる金子みすゞさんのような詩について話し合いましょう。

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