第4話(A-4)天国の扉をノックした(マリンvsヒロキ))

(ラップ1)[人の噂]

この学園の中等部、東京から転校してきた、

あいつよお、

財閥の息子らしいな。あっちの学校で、何か、

問題、起こしたらしいが、退学になり、

親が持て余し、厄介ばらいし、

地方都市の、ここに放り出し、

高層マンションの部屋に、家政婦やとい、

一人暮ししているらしい。

ヒロキって名らしい。


(ラップ2)[マリン]

放課後の校舎の、階段を駆け下りてくと、

マリンは人気のない廊下に座りこむと、

軽音楽部の部屋のドアに背中もたれるの

一人になりたい。興奮おさまらない。

この胸を噛む、優美な思いにひたっていたい。

ロックバンドの練習してる、大きな音も、

耳を素通りし、聞こえない。

東京から、転校してきた、噂の男の子と、

バッタリ、出会った、衝撃に頭がいっぱい、


(歌)[マリン]

紅く火照ってる顔を、両手でおおってる。

心臓が、恐ろしいほどに、脈打ってる。

夢見心地。謎の微笑みを浮かべる。


まどろみの中、何度も思い返してる。

あの人と、眼と眼が会い、触れあってる、

魂の感触。幸せの炎、燃え上がってる。


*あふれんばかりに、美しい愛のオーラ、

放ってる少女は、

夢見るように、空間を見つめてた。

両腕、胸にまわし、自分の空想抱きしめた*


(ラップ)

その時、この世の夢の楽園の花園の、

足もとの草むら、

招かれざる者。

大嘘つきのピンクの、二枚舌の蛇が、

ぬるぬる、スルスル、すべり抜けて行ったのを、

気づかずにいた。


(歌)続き。

彼の眼の中、運命の予感。自分の幸福を賭ける。

美しい恋の未来は、裏切られる。

この世でもっとも不幸な女に落とされる。


(ラップ)

バンドが何度も歌う歌、自分も、うわの空で

知らず知らず、口づさんでる。

演奏、止んでる。

気づかず、一人、口づさんでる。

その時、突然、後頭部、ドアにどつかれる。

ゴツン!「痛い!」ゴツン、ゴツン!「痛い!痛い!」

「痛いって言ってんのに、何でやめないの?

あんた、バカなの?、バカなの?バカなの?」

レイがつぶやいた。

「あれ?ドアが開かない、おかしいな?

あっ!開いた。

眼の前、マリンが突っ立って、真っ紅な顔し、

痛みに涙ぐんだ眼で、無言で、にらみつけてた。

レイは、黙ったまま、ドアを閉めた。

「あっ!逃げた!」

「おい!凄いヤツ見つけた!みんな!

こっち来い!」

ゴツン!「痛い!」



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