#10

称号にも効果があるものとないものが存在するようだ。




今称号になっている「大物喰らい」


格上に対しての怯みが薄れるほか格上と対峙しているときは身体能力が上昇する特典付き、ソロプレイには必須なのではないかと思うこの称号




この称号が後押しをしているのだろう、ハジメは一人でも巨大な敵に立ち向かっているのだろうか


それともただのバカなのか、恐れ知らずなだけなのかそれはハジメしかわからない




「とりあえず吹っ飛べ!!」


大剣を薙ぎ払いながら赤い鎧を着ている兵士たちを薙ぎ払っていく、たまに魔物もハジメに突っ込んでいくがハジメは難なく倒していく




しばらく敵をフルスイングして吹き飛ばしながら走っていると大きな門の前にまでたどり着いた。


すると門の前で優雅に座っている男がいた、座っているものは・・・人間?違うな、人間のような容姿をしているが人間ではありえないような肌の色と巨体




「こいつが魔族ってやつか?」


独り言をつぶやくとそれを聞いていたのか座っていた男は返答してきた




「ご名答!よくこの椅子が魔族だってわかったね!・・・そう僕の大事な大事な椅子、28号君だ!まぁ28号って名前だけど28号以外の上に座ったことは無いけどね」




そこまでは聞いてないとハジメは思いながらこいつの会話に付き合い、情報を引き出そうとする




「お前は誰だ?俺はハジメってもんだ」




「僕かい?僕はカマッセだ、それ以下でもその上でもない・・・が、生まれは貴族だから元々の地位は高いんだけどね?ほら、貴族じゃなかったらこんな屈強な28号君を椅子に出来てないでしょ?ほら、僕ってえらいからさ」




「ふーん・・・でお前は人間の味方なの?それとも魔族の味方なの?」




「・・・どちらかといえば魔族の味方かな?そんな質問をするのも珍しいね、もしかして田舎育ちなのかな?その見たことのない装い、民族衣装なのかい?」




「まぁそんなところだ・・・じゃあお前らは人間の敵ってことなんだな?」




「そうとも!僕は交換条件のもと魔族側に付いた!これで条件は完了したも当然だからね!今回はゆっくり行かせてるんだよ、兵士たちにも女子供は回収、男は労働力!むやみに殺すなとは言っているんだけどね?抵抗してくるんだよ、僕たちだってむやみには殺したくはないのさ。


わかるかい?彼らは貴重な使いつぶせる労働力なんだ」




「聞いてないことをぺらぺらと・・・つまりは人類をその貴重な労働力にするんだな?だがお前も人間じゃないか?お前はどうなるんだ?お前も働かせられるんじゃないか?」




「ふふ・・・だから僕は交渉したのさ、僕の従える兵たちで人間を捕まえて献上してその労働層の人間を管理するってね、そしたらこの人間の国家の人間をすべて献上してくれるなら管理職につかせてやるってね!実にうれしい気分だ!あと残る国はこの小さな国の人口10万にも満たない国だけ!


いやぁ実に長かった・・・ここまで来るのに作戦開始当初の兵士はみんな死んじゃったし何しろ五年も時間をかけてしまった


だがあのお方は実に心優しいお方だ、そんな僕でも褒めてくださったのだ・・・その気持ちに報いるためにも僕は今日、負けられないんだ。


もし僕の下に着くならいいポジションにつかせてあげよう。どうかな?」




ハジメの答えはすでに決まっている




「断る、なんでお前みたいなやつに使えなければならないんだ?」




「そうかそうか、ならここでお別れだよ君は気づいていないだろうけど君の周りには僕の近衛兵たちが君を囲んでる、もし僕の精鋭たちを倒して僕の首を捕まえればこの作戦は止まる、君にそれができるというのかい?・・・なんでみんな同じことを言うのかな?僕はそこが理解出来ないよ。」




気づいてはいなかったがそうなのだろうと自覚をハジメはしていた。




「理解ができない?当たり前だろ、今日から奴隷だと言われてはいそうですかって頷けるわけないだろ





「それもそうだね?でも確実に勝者に寄り添えるなら靴をなめたってかまわないさ」




「・・・はぁもういいよ、こいつらとお前のお気に入りの魔族ぶった切ってお前の首をもらい受ける」




「ならもう話はこれまでにしようか・・・死んでもらうよ?」




そういうとカマッセは魔族の上を降り一歩後ろへと下がる、首を振るとすべての視界に屈強な鎧を着た兵士たちが俺を隙間なく囲んでいる。ネズミですら通れそうになさそうだ




正面の魔族に至っては3メートルを超える巨体だ、圧迫感が強い。そして確実に自分よりも強いとハジメはそう思った。




一歩づつ確実にハジメとの距離が縮まる円を、ハジメはそのまま立ち尽くすわけでもない




大剣の柄を握り力一杯踏み込み、大剣を確実に魔族に狙いを定め思い切り投げた




ごうっとなった大剣は魔族めがけて飛び見事魔族の胸に命中し、貫通した。




魔族は意識はあるものの確実な死を悟りハジメに向かい何かをつぶやく




ハジメはそのつぶやきにある共通点を見出しその場から離れる




ハジメが最初にいた地点には炎柱が昇った、それを見て確信した。




異世界にも少なからず魔法を使うやつがいる、迷宮だけの概念ではないことにハジメは安堵した




魔法という概念があるのなら魔法をハジメも使える。




ここに来る途中大剣で千切っては投げを繰り返していたハジメは道中、魔法を使う相手に出くわさなかったことでこの異世界は魔法が使えないと思い込んでいたのだ。




魔法なしでは確実にあの魔族には勝てないが魔法ありの戦闘であればハジメの方に武が勝る。




大剣を先手で投げたことを少しだけ後悔するハジメであったがそんなことも言ってられない状況だった




周りの敵はハジメを必ず倒さなければならない外敵と認定したのだろう、周りの兵士たちはいっせいにハジメに剣を突き立てこちらをうかがってる




「突撃!」




この一言で周りが一斉に動き出す。




ハジメはとりあえずハジメを中心とした石壁を生成し突撃してきた兵士たちを強制的に足止めを食らわせる。




このままでは円をめがけて矢などが降り注がれる可能性もあるし、ふたをされるかもしれない




とりあえず大きな円をまた作り、円と円の間に巨大なスパイクを生成し勢いで兵士たちを飛ばし勢いを利用してスパイクに貫かせた。




ハジメはある程度時間を経過させてから石壁と外の円とスパイクを崩した。




「ひぃ・・・ふぅ・・・みぃ・・・三人ってところか、おいまだ立てるんだろ?さっさと立てよ」




無傷とはいかないものの、あのスパイクをとっさに防いで怪我を最小限に抑えた人間が三人もいたことにハジメは驚いた、だがその三人も起き上がろうとせず死んだふりを続けようとしているのかそれとも、ハジメに恐怖を持ち体が只動かないのか、ハジメは興味すら感じない。




「まぁいいや・・・なぁカマッセ、あとはお前だけだがどうやって苦しみたい?」




そういって振り向くがカマッセがいない、どうやら逃げたようだ




「まぁいいや追い詰めればいいだけの話だ、行先はあの門の外か?ならゆっくり追い詰めてやろう」




ハジメはゆっくり歩みを始め確実に、ねちっこくどうしたらカマッセが嫌だと思うかを只ひたすらに考えながら門の外を歩き続ける。




途中突撃してくる敵もある程度いたが槍は躱し柄を降りぶん投げ、剣は躱して撫で斬りにしていった。




その光景をまのあたりにしてきた敵兵士たちは途中から突撃をやめ飛び道具で確実に殺しにかかってきたが壁を作りながら歩いた




殺せないと悟ったのか櫓のある方に走り壁としてただ立ちふさがっていた




「お前らあいつのもとについて本当に勝ち組になれると思っているのか?」




そう問いただすと一人の兵士がハジメに向かって叫び始めた




「当たり前だろう!魔族に組み伏し、自分の人生を踏みにじられるぐらいなら魔族側に付いて同胞を捕まえる方がましだ!」


あるものは言った




「家族が助かるなら俺は魔族にだって媚を売る!」


あるものもこう言った




「女が抱けるなら俺はどっちの味方だっていいさ!」


この男は早く始末したほうがよさそうだ




「だけどその保証ってどこにあるんだ?お前が媚を売って利が得られる相手なのか?そもそも同等と思われているのか?誰がお前の家族の身の安全を保障してくれている?魔族とは本当に信用たる者たちなのか?お前に欲望のはけ口を提供してくれる者たちなのか?どうだ?お前らは搾取されるだけの存在なのかもしれないんだぞ?お前らが必死に働いて、相手はそれを酌んでくれるか?そういう相手なのか?」




そういうと先ほどまで自分の欲を叫んでいた兵士たちはそのまま黙り込んだ!




「本当に自分に利益があると断言、大きな声で叫べる奴だけ俺の前にたて!それ以外のやつらはどけ!」




喝を入れる、すると残ったのはほんの数名だけだった




「異常者が・・・来い!俺がぶん殴ってやる!!」




ハジメは叫び一歩踏み出した。








その瞬間だった






何かが空から落ちてきて土煙が舞う








土煙が晴れたころに確認できたのは屈強な肉体の男が立っていた、顔つきを見ればわかるぐらいの老人ではあるがその肉体はその人生の全盛期ともいわんばかりに誇張していた。




そしてハジメを見る目つきは己に与する家畜の目




その瞬間ハジメは悟った








こいつを倒さなければこの進行は止まってくれないということに

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る