第20話 負けられない戦いの間の袋叩きとドウェインの報告
『ぼこぼこだじょ』
「うん、ぼこぼこ」
『きょの、ごはんだじょ』
「まだあかちゃんだから、たべられないんじゃない?」
『も、たべりゃりぇるじょ!』
そうしてまたお互いを見て数秒後、パシッ! パシッ! パシッ! パシッ! ぽこちゃんは私をしっぽで叩こうとして、私はそのしっぽを止めるために叩く。
『だからやめろと言うに、まったくお前たちは。育み場へ戻るぞ』
そうドウェインが言うのと同時だった。
『グギャアァァァ!?』
みんなに袋叩きにされ、ボコボコにされていた魔獣が落ちていき、ドサァァァッ!! と地面に墜ちたよ。うん、ぽこちゃんの言ったことじゃないけど、あれは今日の子どもたちのご飯かな。
『ごはん、できあがりじょ』
「これから、いろんなごはんちゅくるんだよ」
パシッ! パシッ! パシッ! パシッ!
『はやく、たべたいんだじょ』
「おせわのじゃましゅると、たべさしぇてもらえないよ」
『じゃまちてにゃいじょ。じゃまちてりゅにょは、りんだじょ』
「……」
『……』
パシッ! パシッ! パシッ! パシッ!
『はぁ。さぁ、戻ろう』
こうして私とぽこちゃんは叩き合いをしたまま、育み場まで戻ってくれたドウェイン。
育み場に着くとみんなが集まってきて、私たちが無事だったことを喜んでくれたよ。それから、怪我をしていないか確認してもらったら、ぽこちゃんはそのまま強制退場。この後は筋肉グリフォンさんがお世話をしてくれるって。
攫われたことにじゃなく、筋肉グリフォンさんでグッタリするぽこちゃん。これもぽこちゃんの両親に報告だな。
そして私といえば、ある用事で出掛けていたドウェインの話しを聞くため、私たちの寝床へ戻ったんだ。
ちなみに、私たちを攫った魔獣だけど。種族名はスカイレイブ。姿はグリフォンに似ていて、頭が鷹で体が狼みたいな感じ。大きさはグリフォンよりも少し小さいかな。
グリフォンほど頭は良くないけど、飛ぶスピードはグリフォンより速くて。魔法を使うことで、さらに早く飛べるんだ。
そのせいで、一瞬消えたように見えて、だから最初、みんなはスカイレイブを見失って、私たちは攫われちゃったの。
でもその魔法は、すぐに何回も使えるわけじゃないみたいで。そのおかげで、みんながすぐに追いついてくれて、袋叩きにし、今日の夕食にすることができたよ。
普段は群れで行動しているんだけど、今日は1匹だったから、野良のスカイレイブかも。他の魔獣にも言えることだけど、いくら群れで動くことが多くても、全てがそうじゃないからね。
『私がいない間、何か問題はあったか?』
「ううん、なにもない。ぽこちゃんがいつもよりも、さしょってただけ。あちょで、おとうしゃんとおかあしゃんにほこく」
『そうか』
私はぽこちゃんの両親に、ぽこちゃんの女性の誘いを止めてくれって、直々にお願いされてるんだよね。今からそなことじゃ困るって。まぁ、赤ちゃんがナンパじゃね。
もっと他のことに興味を持ってもらって、立派なタヌーンになって欲しいって。だから私は厳しくいくつもりだよ。大きくなって、ただのナンパな魔獣になんてさせない。
お世話のおかげで、体が良く動けるようになったけど、これからも頑張って動いて、体力と攻撃力を付けなくちゃ。……それと言葉もなんとか頑張ろう。
「るーふゃしゅは、あしゃのごはんたべしゅぎてねてりゅ」
『あれほど食べ過ぎには、注意しろと言っているのに』
「きょは、りりあのみだった。るーふぁしゅのこうぶちゅ」
『ああ、だから食べ過ぎたか』
「うん。……どえいんは、どだった?」
『それを今からゆっくり話そう。そうだな、先にこれだけは言っておくか。何も心配するようなことはなかったぞ』
「しょか!」
寝床に戻ると今話していた通り、朝ごはんを食べ過ぎたルーファスが、お腹を出したまままだ寝ていたよ。
『息子よ、戻ったぞ』
『おかえりなさい……、おなかいっぱい』
それだけ良い、お腹を翼でかきかき、そのまままた寝始めるルーファス。まぁ、話しに関係あるのは私だけだし良いか。
『……はぁ。よし、話しを始めるぞ』
「うん」
『まず結論から言うと、彼らはリンを家族として受け入れると決めてくれたぞ』
「ほんちょ!?」
『ああ。どうだ? 彼らなら話しを聞いてくれると、問題を解決してくれると言っただろう?』
「うん!! どえいん、ありがちょ!!」
『ただな、それにあたってはいろいろと事情もあってだな。そのことについて、これから話そうと思う。なに、それも1つのことを除いては、大したことではないから大丈夫だ』
「うん!」
一体何の話をしているのか。それは、これから私がこの世界でどう暮らしていくか、についてだよ。
魔力はあっても、まだ魔力を使う練習をしていないから、自分のステータスを見られず、確認はできない。だけどドウェインによると、私は神の愛し子らしいからね。そしてそんな神の愛し子の私は、さまざまな種族に狙われやすいってことで。
ほら、ドウェインは、『リンを受け入れ、そしてリンを守ってくれるであろう人間を知っているから、その人間に相談してみよう』と話してくれていたでしょう?
その人たちにドウェインは会いに行ってくれて、私の話しをしてきてくれたの。ここ数日、ドウェインがいなかったのは、話し合いのためだったんだ。
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