第3話 車いすに乗ってても、歩ける?

 この病気エピをエッセイにしようと思ったのは、いろいろありますが、万博で「実は歩けるのに車いすに乗ってる人がいた。もやった」という趣旨のブログを見かけたからです。


 うーーん。気持ちは、わかる。

 私も、自分がこうならなかったら、歩けるのに車いすに座っている人について理解できていませんでしたから。


 しかし、当事者になってわかりました。


 歩けても、車いすが必要な場合だってあります。


 それは、別に車いすに限りません。

 スマホを操作できたって、白杖や盲導犬は必要です。

 普通に歩いているようでも、杖は必要な場合もあります。

 多分、言い出したらたくさんあります。


 そしてわたしは、「杖をついていても、足だけじゃなくて手や肩も痛い場合があります」も追加したい。


 順を追って話します。

 なぜ歩けるのに、車いすがいるのか。つまり、歩ける距離が短いんですよ。その人にとって。


 歩けるのに車いすの人について書いていた方が見たのも、万博会場のことでした。


 うん。万博なら、足悪い人は歩けても車いす借ります。今ならわたし、断言します。


 結局行かなかったけど、万博行こうとした時はまず、車いすの貸し出しについて調べました。

 車いすの貸出は300台あるそうなんですが、朝であっという間に出払ってしまうそうです。

 うーん。これに悩みました。借りられなかったら死活問題なので、数日普通にレンタルするか?とかいろいろ悩みました。悩んでいるうちに、タイミングを逃しました。あほっぽい。


 たぶん、1キロぐらいを歩くのは平気です。

 でもそれ以上になってくると、確実に関節の炎症が悪化して発熱します。この体の状態だと、万博とかUSJとかディズニーとか、とにかく歩かないといけないところでは、たぶん車いす選びます。

 もし、歩けるなら車いす使うな、って言われたら、こういう施設に出かけるのを断念しないといけないです。


 ほかにも内部障害の人も、歩けるけど車いすな人はいるでしょう。

 必要なんです。当事者になってよくわかりました。もちろん、騙りの可能性もありますが、歩けるのに車いすを使っていることすべてを否定しないでほしいな、と思っています。自省を込めて。



 で、わたし、普段は杖を使ってます。平坦な道なら歩くのそんなに困らないのですが、段差を上がらないといけないとか、ちょいちょい必要なんで持って歩いていますが、足も痛いが、実は、手首も肘も肩も痛い。

 

 杖ついていると、どうも「足だけ」と思われてしまうようで、って当たり前ですけど、ほかにも痛い可能性が落ちるんですよね。

 手首も肘も肩も痛いと何が問題かって、電車で手すりやつり革に掴れないんです。痛くて。

 なので、座るか壁際で壁に寄り掛かるかしないといけないんです。壁も空いていなければ何にも掴らず立っていますが、そのせいでバターンと全身で転んだことが実は1回や2回じゃないという……。

 壁際にどうしても行きたくて、人の間を縫うようにして進むことが多いのですが、いやもうにらまれることが多くて(しょんぼり)


 杖ついてるやつぁ通勤電車に乗るなってことかなぁと思いながら、人をそっとかき分けています。


 これでも時差通勤には努めているんです。ラッシュにかからないよう、早く出たりしています。

 でも朝は限度がありまして。子供の送り出しとかありますので。

 帰宅時も、ラッシュ前に帰るようにしてますが、やはり打ち合わせとかで難しい時もあります。うまく目立たず壁際でひっそり立っていける日が多いのですが、どうしてもそうできなかったり、ダイヤが乱れるともうどうにもならないことも多く、そういうときはなかなか人の目が痛かったりします。


 しょうがないですが……

 ちょっとだけ、理解が進むといいなぁと思ってます。


 でも、さすがに譲ってくださった席を、よこから入ってくることはどうなんだと思いますが、こういう人も実際います。


 あとは、重い荷物が持てないとか、ペットボトルのふたを開けるのに地味に苦労しているとかですかね。


 荷物は、もうバッグ自体を軽いものに変えてます。あとバッグを二つにして、一個が重くなりすぎないようにとか。

 ペットボトル開かない問題は、100均にいいものが売っていて、力がなくても開けられる補助具とかあるので、そういうの活用しています。


 いろいろ工夫して生きているので、「歩けるのに車いすはおかしい」は、できれば思わずにそっと見ていていただけると嬉しいなぁと思う次第です。

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