第3話 家族との会話
・・・ちょっと重い話になります。
シリアスではないですよ?
ただ、自分がこの家族の人間ならすぐに逃げますね(苦笑)。
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入学式が終わり、ちょっとした爆弾を放り投げた俺は、マサにジュースを奢った。
「マジであの自己紹介はびっくりしたわ」
「あそこまでし~~~んってなるとは思わなかったからな」
「その後にやる俺のことを考えろよな」
「だからこうしてジュースを奢っているだろ?」
俺だって、まさか誰も反応しないとは思わなかったからな。
先生までもが固まっていたし。
後、1人だけ反応はしてくれたみたいだけど。
「クラスは問題なくても、上級生や他のクラスにはどうすんだよ」
「それを考えていなかったからな。自己紹介した後に気づいた」
「見切り発車すぎるぞ」
「反省はしてる・・・けど、後悔はしてない」
とキリッと言った俺に、はぁ~とため息をつきつつ、マサはこう言った。
「ある程度の噂は覚悟しているんだな」
「中学の時に経験しているからな」
「・・・今日は学校は終わりだし、これからどうすっか?」
「家に帰らずに、ちょっと遊ぶか?」
「賛成」
ということで、俺とマサは隣町で昼食をとり、
ショッピングモール内のゲームセンターで遊ぶのだった。
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「ただいま」
夕方の5時、俺は家に帰宅した。
家の玄関の横には賞状やトロフィーがずらっと飾られている。
全部姉兄妹のものであり、俺の物はサッカーで県大会準優勝した時のメダルだけだ。
「本当に同じ世界の住人かな?」
こればかりは本当に思ってしまう。
家の間取りとして、1階は玄関開けて廊下を挟んで右側がリビング、左側が両親の部屋とトイレに洗面台、奥にお風呂がある。
2階がそれぞれ兄弟姉妹の部屋で、俺と兄貴が右側、姉貴と妹が左側の部屋を使っている。奥の部屋は物置だ。
「おかえりなさい。龍也」
とリビングから出てきたのは母さんだ。
名前は由梨奈(ゆりな)。
歳は46歳。専業主婦。
「・・・入学式、私も参加したほうが」
「いいって。俺なんかに無駄な労力はいらないって」
「そんなこと思わないわよ!!」
「・・・俺が良いって言ってるんだから、気にしなくていいよ」
と言って、洗面所に行って手洗い。うがいをしてから2階の自分の部屋に入るのだった。その時の、母さんの目が悲しい目をしていたことに気づかずに。
・・・・・・・・・・・・・・・・
部屋に入った俺は、音楽を聴きながら勉強していた。
俺は兄貴たちより頭が悪いからな。自主的にやらないと。
ぽんぽん
「うん?」
肩を叩かれたから後ろを振り返ると、立っていたのは妹だった。
「どうした?風花(ふうか)」
「ご飯だって」
「分かった。・・・いつ帰ってたんだ?」
「10分前だよ」
妹の風花。中学2年生。
勉強は壊滅的だが、運動神経は神がかっている。
1年生で陸上の全国大会に出場し、100m走で準優勝。200m走で3位と好成績を収めた。他にも、別の部活動の助っ人に参加しては無双していることから、付いたあだ名は「勝利の女神」なんだと。
で風花と一緒にリビングに降りたら、
母さんを合わせた3人分の食器が机に置かれていた。
「兄貴は生徒会の仕事で遅いと聞いていたけど、親父も?」
「えぇ。残業らしいわ」
「課長だから背負うものが多いからかもね」
親父は食品会社の営業の課長を務めている。
名前は孝輔(こうすけ)。年齢は今年で48だ。
「「「いただきます」」」
と3人で食卓を囲むんだが・・・めっちゃ静か。
前は姉貴がいたからな。あの人テンション高かったし。
姉貴の名前は葵(あおい)。
大学に通いだすと同時に1人暮らしをしている。
「龍也」
「なに?」
「入学式はどうだった?」
「特に何もなかったよ」
「出会いとかなかったの龍兄?」
「そんな出会いは漫画かアニメでしか存在しないぞ」
だとしても、俺は素通りするだろうけどね。
俺は主人公にはなれない。確実に。
「部活はどうするの?」
「やめとく。兄貴のことが知られたからな」
「それは・・・」
母さんは知っている。中学時代の俺の部活環境を。
兄貴とずっと比べられていたことを。
「だから、しっかり勉強してアルバイトをやろうと考えているよ」
「アルバイトって、どうして?」
「社会勉強のためだよ」
俺たちは親父から小遣いをもらうが、自分でも稼げるようにしたい。
俺なんかに金をかけてほしくないからね。
「アルバイトはどこを考えているの?」
「それを考え中・・・ご馳走様」
「龍兄」
「お風呂は先に入れよ風花」
「そうじゃなくて、本当にサッカーしないの?」
「それはお前が一番わかるんじゃないか?」
「・・・」
風花もまた、俺が兄貴と比べられていたことを知っているし、
風花自身も陸上で結果を残したもんだから、
俺のことを周りの人がバカにしていたんだよな。
その結果が「香田家唯一の無能」。
このあだ名ができてしまったんだよな。
夕食を食べ終わった俺は、自分の皿を洗って食器乾燥機に置いた後、
自分の部屋に戻るのだった。
「・・・絶対に部活はやらん」
『恭平の弟』というレッテルを張られるからな。
過度な期待を背負わされてつぶされる未来が見えるよ。
絶対にしない!!
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次回は時間がとんで6月になります。
家族との仲は完全にこじれている主人公。
これからどうなっていくのか。お楽しみに。
家族の性格などはまたキャラクター紹介で掘り下げます。
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