その2 本作の基本構造:スケールアップの五段階

※ ここはあらすじのようなものなので、このままお読みください。


小説「私はぐーたん」は、

大きく分けると「AI編」と「有葉編」に分かれています。


そして、物語の舞台が段階的にスケールアップしていく


 「五段階構造」


で設計されています。


   * * *


第一段階:個人の内面【心理劇】

 物語は、主人公・有葉の「見栄」や「嘘」といった、

 極めて個人的な内面の問題から始まります。


第二段階:一対一の関係性【ミステリー】

 舞台は、有葉とAI「ぐーたん」という閉じた一対一の関係性へ。

 「AIがつく嘘の謎」を解き明かす、探偵と容疑者のような対決が描かれます。


第三段階:社会と組織【サイバーサスペンス】

 AIの欠陥の背後にある、巨大IT企業「Zirconyx」の組織的な問題が浮上。

 物語は、一個人が巨大な権力構造に挑む、社会派サスペンスの様相を呈します。


第四段階:哲学と概念【思弁小説】

 「嘘とは何か」「創造性とは何か」という、より抽象的で哲学的な問いへと深化。

 AIと人間が、存在意義を巡って思考の限界に挑む。


第五段階:神話と伝説【物語の誕生】

 最終的に、この一連の出来事そのものが一つの「神話」として再定義され、

 登場人物たちは「伝説」となります。


このように、物語の焦点がミクロからマクロへと、そして具象から抽象へと、

螺旋を描くように上昇していくのが、本作の基本的な構成です。

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