第39話 三人の密談

 俺は朝食の準備を終え、今は俺とレインとリリーナの三人で食卓を囲んでいる。俺とレインはいつものようにテーブルを挟んで対面の椅子に座り、俺の右隣の椅子にはリリーナが座っていた。暫く俺たちは一言も発する事なく、ただ黙々と目の前にある物を食べる。


 何だろう……この変な空気は?


 誰か! 何か、喋ってくれ!


 俺の願いが叶ったのか。リリーナが口を開いた。


「あ、うん。あの~、レインさんとフェリスは……そういう関係?」


 おい! いきなりそれは、ストレート過ぎるだろ!


「え、ええと……。それはね、リリーナ……」


 リリーナに、何て言えばいいんだよ!


「ゲホゲホッ。あっ、リリーナちゃん。俺とフェリスは……付き合ってる」


 え!? そうだったの! 俺は初耳なんですけど!


「やっぱり、二人は付き合っていたんですね! 兄妹にしては、仲が良すぎるなあって、ずっと思ってましたから!」


「はは。実は、そうなんだよね。内緒にしてて、ごめんね。リリーナ」


「いいよいいよ。私は薄々、気付いていたし」


 リリーナは俺達の事、よく見てるなあ。


「それで、お二人が付き合っている事は……。家のお兄は、知ってるんですか?」


「いや、レッドは知らない筈だ」


「そうなんですね」


 レッドに俺とレインが付き合ってるって言ったら、相当落胆するだろうなあ。


「じゃあじゃあ、この事は。私達三人の秘密にして、黙っておきましょう」


「え? リリーナ、何で?」


「だって……。お兄が恋のピエロになってる姿、面白いじゃん!」


 いや、面白いって。まあ、でも確かに。


「リリーナちゃんがそれでいいなら、俺は構わないよ」


「私も、いいよ」


「よし。それじゃあ、今後のお兄のピエロっぷりをみんなで見ていこう。イエーイ!」


 レッド……ご愁傷様です!

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