キーホルダー 2期

@kyanamma

第10話 毎日

放課後の教室。

外の光は少しずつ薄れ、夕暮れの影が長く伸びていた。


綾は机に座り、ノートを開く。

プリントを整理しながら、無意識に花の名前を書いたり消したりしている。

“花”という文字が、ページの余白に何度も現れる。


スマホが震えた。花からだ。


『今日も塾で帰り遅くなるかも!ごめんね~💦』


綾は画面を見つめる。

心のどこかで、「またか」と思いながらも、

やっぱり笑顔で受け止めたい気持ちが勝った。


(大事な用事なんだよね…)


ため息をつく。


「……どうして、こんなに心配になるんだろう」


夕焼けの光が、校舎の壁に赤く映る。

綾は窓の外を見つめながら、深呼吸をした。


「花、大丈夫かな…」


心の中の小さな不安があることを、綾は感じていた。

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