ダンジョン・ダンジョン
昼間野日向
プロローグ
いつからだろう、我が子を殺されても何も感じなくなったのは
自身の体を削られても不快に感じなくなったのは
ある日、二足歩行の小さいが膨大な魔力量を持つ生物の2個体が我の体の中に入ってきて我が子を殺し、体内を好き勝手に破壊していった。その日を境に同一の生物が度々現れるようになり、我が体を削っていったり、前の個体同様に子を殺したり、生け捕りにして連れ去ったりするようになった。
強きものが弱きものを喰らうのは摂理であり、我が子供達も体内を出て、外の生物の狩りをして生きている。そして、子供達からの魔力を少し貰い、我も腹を満たしていた。我にとって子は魔力を体に満たすための大切な存在だった。その存在を奪われ、魔力を満たすことができなくなり、飢餓状態になった我は体の形状を保つのが難しく崩壊しかけていたため死を覚悟した。
死を覚悟した数刻後、初めに我の体に入ってきた2個体が現れた。
(お前らが求めていた我が子も我が貯蔵していた魔石も全て奪いつくしたではないか、、、今更何しに来たのだ)
そう思っているのもつかの間、どんどんと我の体の最奥に突き進んできた。魔力感知が低下していたためかきずくのが遅れたが、魔力の質が違う奴がもう1個体ガタイの大きい個体の肩に担がれていた。奴らの見た目に似ているが同一生物ではないようだ。体の最奥に着いた奴らは、肩に担いでいた奴を我が体に下した。どうやら2個体より小柄で華奢であり、長く尖っている耳をしていることが感触より知ることができた。生体情報を確かめていたが次の瞬間、自分の体に小さい針に刺されたような痛みが走ったと思ったら、その個体の生命活動が停止した。首が切られたらしい、するとすぐにその体から魔力が溢れてきた。2個体はそれを確認すると我が体内を去っていった。
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