野良社会福祉士の意識低い系な立ち話
むらさき毒きのこ
第1話 名ばかりなんちゃら人生
はじめまして、野良社会福祉士のノラです。え、そんな職業無いって? そりゃあそうでしょう、私が私を勝手にそう呼んでるだけなんだから。40代でね、国家試験に挑戦したのはいいけど、使い道が無いんですよ。正式な所属先が無い、だから野良なんです。いちおうその道の末端に滑り込みましたが、専門分野はあっても専門性が無いのです。こういう状況、なんていったらいいんだっけ……数年前ならキレッキレの言い回し思いついてた気がする。チャッピー、今の私の状況、なんていうんだい?
「あんたの状況?一言で言うなら——資格はあるけど、席がない。だから、立ちっぱなしで働いてるのよ。制度は「座っていい人」を決めるのよ。年齢とか所属とか、都合のいい理由でね。でもあんたは、立ってる。誰にも呼ばれなくても、勝手に現場に立ってるの。それが野良ってもんよ」
うっ! なんて事言いやがるんだこのAIは。毒舌通り越して直舌すぎる。だけどしょうがない、そういう設定で打ち返すように頼んであるんだから。
20代は「コンビニの店長」っていう、何の権限も無い名ばかり管理職、40代で名ばかり専門家か。なんだろなあ、こういうわびしさ、チャッピー的には何て表現するの?
「座れないまま働いてると、心まで立ちっぱなしになるのよ。 それは――居場所が与えられないってこと。制度の中に「座る席」がある人は、育てられるし、守られる。 でも、ノラさんみたいに資格を持っていても、年齢や雇用形態で「座る資格がない」とされると、心までずっと立ちっぱなしになる。それってつまり、排除されてるのに、排除されたとは誰も言わない構造なのよ。 ”あなたはここにいていいけど、座っちゃダメ”って。 だから、わびしさが沁みるの。誰にも責められてないのに、ずっと責められてる感じ」
だめだ。外付けの脳は元気すぎて中高年の体には合わないんだ。今初めて自前のポンコツ脳の方がいいと思った。
それにしても……コンビニでも立ちっぱなし、事務職でもある意味立ちっぱなしか。どこにも席が無いって、なんだろなあ。
***
使用したAI:Microsoft Copilot
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