第19話 イチャイチャイチャチャチャ
昼休みが終わり授業は進む。
その授業中の事だ。
俺に横の奴が紙を寄越した。
女子生徒だが...なんだ一体...。
そう考え横を見ると結弦が手を振っていた。
俺は嫌な予感を感じ紙を開く。
(デートしよ)
そう一言。
後で口頭で連絡すりゃ良いものを。
そう考えながら溜息を吐いて困惑する。
それから(分かった。後でな)と書いてから女子生徒に手渡してから送る。
すると暫くしてからまた紙が回ってから俺のもとに。
(あいしてる)
お前は昭和か!
ヘッドライトサインであったな!
考えながら俺は苦笑い。
それから俺は(今は授業に集中しろ)と書いた。
そしてその女子生徒に転送する。
すると投げキッスをされた。
馬鹿野郎めが。
☆
それから授業が終わり。
俺達の行動がバレずに済んだ放課後。
結弦がやって来た。
そして俺を見上げてくる。
「えへ。雄太♡」
「ベタべタすぎだ。全くお前という奴は」
「だって私、雄太が好きだし」
「だって、じゃねー!」
俺は額に手を添えながら首を振る。
それから結弦を見る。
結弦は「でもこう出来るのが嬉しい」と笑みを浮かべる。
俺は「?」を浮かべながら結弦を見る。
結弦は「私は一手を打てなかったからね」と言う。
その言葉に「一手?」と聞く。
すると結弦は頷く。
そしてニコニコした。
「私が言った一手は君を落とす一手を打てるって意味だよ」
「お前という奴は...」
「ふむ。お前という奴は...(´・ω・`)」
背後を見ると勝が仁王立ちしていた。
俺は「お前はなんだ...」と勝を見る。
勝は「テストが近いぞカス」と言い放つ。
「誰がカスだよ...」
「オメェだよ。全く貴様という奴はイチャイチャ...」
「地獄でも見た様な顔だな」
「それはな!」
勝はそうツッコミを入れてから溜息を吐いた。
それから「まあ冗談は置いて。葉月さん。雄太。試験勉強は真面目にした方が良いぜ。クソテストの担当が数学の科目の教員。厳しい奴だしな」と言う。
そんな勝に「なんなら一緒に勉強するか?」と聞いてみる。
すると勝は「おー。いや。でもそりゃまた今度で良いかもな」と話す。
肩をすくめながら苦笑い。
「雄太と葉月さんはデートすんだろ?」
「...いや。デートって程でも無いが...」
「はぁん?...まあどっちでも良いが雄太。大切にしろよ葉月さんを」
「...ああ。言われんでも大切にするさ」
それから勝は「んじゃ俺は部活行くわ」と鞄を背負いなおしてからそのまま手を振って去って行く。
俺達はそれを静かに見送る。
結弦を見ると結弦は嬉しそうな顔をした。
「じゃあ行こうか」
「ああ」
そして俺達は教室を見渡してからクラスメイトに挨拶してから教室をゆっくり後にした。
それから俺達は歩き出す。
すると結弦が俺に向いてきた。
「ねぇ。雄太」
「ん?なんだ」
「今日のデートはその。河川敷に行かない?」
「河川敷?!」
「うん。なんか黄昏れたいなって」
「ああ。まあ良いけどそれで良いのかお前は」
「うん。それで良いよ」
俺は驚きながらもせっかく提案されたので結弦の意見を飲んでから移動する。
河川敷に行く前に飲み物をスーパーで購入した。
それから移動して行く。
そして河川敷に来た。
「という事で河川敷には来たが...これで良いのか?」
「うん。河川敷に来たかったから」
「うーん。...成程」
「私さ」
「?」
「...私ね。負けたくない。だから」
俺の胸板に手を添える結弦。
それからゆっくり見上げてくる。
結弦の顔が近くなりそのままキスを交わす。
オレンジ色の光がきらびやかに俺達を照らす。
結弦は俺から唇をゆっくり離した。
そしてそのまま俺に寄り添って来る。
俺はその姿に赤面しながら「お前な」と文句を言う。
「仕方がないでしょ。好きなんだから。今は貸し切り出し」
「貸し切りだからなんでもして良い訳じゃないぞ」
「私は貸し切りだからなんでもして良いって思うよ」
結弦はスカートをヒラヒラする。
見えそうで見えない。
外で何をしてんだ。
そう考えながら結弦を見る。
生唾を飲み込む。
「ほらほら」
「止めろって」
「エッチ。アハハ」
俺は堪らず結弦に「お前な」と怒る。
それから俺は結弦を押し倒した。
河川敷の草むらに。
結弦は「へ?」とまさかの行動に凝固する。
それから俺を目をパチクリした。
真っ赤に染まっていく。
「調子に乗り過ぎだ」
「え、えーと?」
「お前、何をされても良いって言ったな?」
「そ、そうだけど...」
「じゃあ今からするわ」
結弦は「え」とまた固まる。
何をされるか分からない事で慌てた。
「待って!雄太!?な、何をするの!?」と赤くなりながら大慌てになる結弦。
俺はその姿に「焦らす」とだけ言う。
「え!?」
「焦らしまくる」
「え、えーと」
それから俺は結弦の手を握る。
結弦は「ひゃっ」と声を上げた。
そして赤面の限界。
耳まで真っ赤になっていく。
俺はニヤッとしながら結弦を見た。
「結弦。どうした?」
「まっ、私が悪かった!雄太!ご、ごめんなさい!」
「うん?聞こえないな?」
「ゆ、雄太!外だから...」
「外でキスをする奴に言われたくはないな...?」
そして俺はニヤニヤしながら結弦の頬に触れる。
結弦は「ま、待っ」と言った。
それから目を閉じる結弦。
俺は溜息を吐いた。
「つー訳だ」
「え?」
「恥ずかしい事はするべきじゃない」
「...」
結弦をゆっくり起き上がらせる。
それから結弦を見た。
結弦はムッとした様な顔をしていた。
俺はそんな顔を見ながら苦笑する。
「やり過ぎは良くない」
「...分かった。...でも悔しいから」
それから結弦は俺の手を持つ。
そして何を思ったかその俺の手を自らの胸に押し当てた。
フヨンと柔らかい感触が。
俺は愕然としながら赤くなった彼女を見る。
「おぃ!?」
「エッチ。アハハ」
そして結弦は勝ち誇った顔をした。
この野郎覚えてろ。
そんな事を考えながら溜息を吐いた。
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