つづき
足がもたない…膝が笑う
にげきったろうか?にげきれたのか?
クゥルは 薮に飛び込んだ
衛兵が 来る
いたか?
いや!確か この辺で足音が
ドクンドクン クゥルの 心臓が跳ねる 心音で 居場所が バレるのではないか?息すら殺す
と 森のおくで ザザと 揺れる音…
あっちだ!複数の足音が去っていく
ザザ…
衛兵が駆けつけてはザザ…と ゆれている
まるで
クゥルから遠ざけるようだ
は…
クゥルは 息を吐いた
あ… 涙が 出てくる
勝気な クゥル!
負けん気クゥル!
呼ばれたクゥルであったが 今回は 違う…!
なにがおきた?
この指輪をみて 神官は 叫んだのだ!
幻の石と!
これ!
外そうと すると ポウ…とひかった
クゥルが 飛び上がる
な…なに?
クゥル…その指輪から この世のものとは思えぬ美しい男性が あらわれた!
銀の髪青い瞳
上質の 旅装束に 外套
綺麗…
クゥルは 見とれた
「クゥル…あいつらは 暫くは来ない!大丈夫だ」
声音は 男性にしては ハイトーン
女性にしては ハスキーか?
「誰?」
「僕はノット 」
男性…ノットは 笑いかけた
大丈夫だ おいで…
手を のべられて クゥルの
瞳が涙を落とし始める
なんだか安心する声だ ノットの 言葉には 言霊があった
クゥル…
ノットが そぅっと クゥルの 頭を抱いた
クゥルは 外套に顔を埋めて
しくしくと 泣き始めた
「こわかったろ?クゥル」
ノットが なぜ名前を 知っているのか…
それすら なんだろう どうでも良かった
パタ…
クゥルは そのまま意識を失ってしまう
ノットは クゥルを 抱き上げると
夕日の中歩きはじめた
衛兵とは 逆の方向へと…
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