転生したと思ったらただのモブでした~転生と言ったら主人公かヒロイン枠でしょ!?~
桜灯のあ
第1話 転生したらただのモブ!?そこは主人公(ヒロイン)だろうが!
俺の名前は、
ただの男子高校生だ。今日もいつもの変わらない日と思っていた。
いつも通りに朝起きて学校へ行って、授業を受けて、お昼を食べて、また授業を受けて、夕方に帰宅。家に帰れば部屋に飾ってある推したちを見る。友達が少ない俺には、かけがえのない存在だ。そして今日もお家でアニメを見て、ご飯を食べて寝る。それが俺の日常。なんてヘンテツもない毎日の日常…のはずだった。
それは突然のことだった。
いつも通りの下校中にただ今日はなんのアニメを見ようか悩んでただけだった。決してやましいことは考えていなかった。断じて考えていなかった。もう一度だけ言う。断じて。
そう、俺は何を隠そう。轢かれたのだ。居眠り運転をしていた車になッ!そこで人生終いとかふざけてんのか!アァ!?俺はこっからの人生を呑気に過ごそうと思ってたのになッ!と、頭では叫んでいたが、当然体の方は…白目向いて血を流していた。
だが、段々意識が遠退いて行くのがなんとなく感じた。そのまま死ぬのは嫌だなと思い、俺は…。
「転生アニメ見たかっ、た……」
遺言がそれだった。
長谷川大地、彼女いない歴=年齢。没。
だが、なぜだが体が浮いてる感覚があった。目を開けてみると、そこに広がってたのは…。天国のようなふわふわしたとこだった。俺は天国へ行けるのか!?いやっほーい!と頭で叫んでたのも束の間、知らない女の声が耳に入った。
『なわけありません。さようなら』
え、と思う暇もなく、下へと、暗闇へと落とされた…。
同時刻
私は、
私は友達も多く、家族にも恵まれている。だが、友達にも、家族に打ち明けたこともない秘密がある。それはアニメが大好きだー!!
中学の頃の友達にアニメの話をしようとしたら…
「え、華恋アニメ見るの?ヤバ、オタクじゃーん」
と笑われたりバカにされた記憶があり、それ以来周りに話すことはしなくなり、必然と上辺だけの友達が増えてしまった。
学校では私は俗に言う、ギャルになっており、偽りの自分を外に出している。だから部活には入らずにすぐ帰宅をしている。
家に帰れば、私の居場所はある。そう、オタク部屋という居場所だ。
「ただいまぁ!みんな!」
そう部屋に叫んだ。当然、おかえり、と返ってくるわけでもない。それでも、みんながこの部屋にいてくれることが何より嬉しいのだから。その部屋で私は新作アニメをみたり、再履修で大好きなアニメを見返したりしている。それが私の日常。大切な日々。
でも、壊されるのはあっという間だった。
突然のことだった。
いつも通りの時間に寝ていたとき、なぜか焦げ臭いと思い、目を開けると…部屋が燃えていた。そう火事だったのだ。親たちは避難できただろうか、それとも家にいるのは私だけだろうか。寝ぼけた頭をフル回転させたけど、わからなかった。等身大パネルの推したちがどんどん燃えて行く。私はもう逃げることを諦めてしまった。せっかく頑張って作ったのに燃えてしまい、生きる意味も見失いそうになった。けど、またいつでも作れる。私が生きてれば!と思った。部屋から出ようとしたが、全て塞がけていた。
え、ほんとに人生終わり?私華のJK生活まだ続くよね?え、家が火事で?避難できずに終わるの?いやその前に、せめて…神様ぁ!どうかトラ転ならぬ、火事転させてくださいぃ!!!人生短すぎでしょもう涙をものよ!
と、頭では叫んでいた。実際はもう一酸化炭素を大量に吸い込み、もう動けないほどになっていた。最後の力を振り絞って
「…バイバイ、みんな…そして神様ぁ…どうか転生、させてくださ………」
石田華恋。短い華のJK生活終了。没。
だけど、なぜか体がふわふわしていた。
あぁ、これ絶対天国やぁ、転生もできるかなぁ。いえーい…。と思ってたのも束の間、男の声が消えた
『なわけあるか』
え、と驚く暇もなく、下へと暗闇へと落とされた…。
目が覚めたら隣にギャルがいた。
目が覚めたら隣に芋男がいた。
そして互いに服装を見て
「それ、ヒロインのつもりか?」
「アンタのそれも、主人公のつもり?」
アニオタの2人、なぜか溶け込めていました。自己紹介せずに…。
「ここはどこなのよ」
「知るか、死んだらここだったんだよ」
「!アンタ、死んだの?」
「あぁ、車に轢かれてな」
女は考えた。ここに来たのは死んだからではないか、と
男もそれに耳を傾けた
「お前はどうやって死んだんだ?」
「お前じゃない。私は石田華恋」
男の顔はめんどくせぇって顔をしていた
「…石田は」
「部屋が燃えて死んだのよ」
「部屋から出れなかったのか?」
「出たら…」
ここで推しという単語が出たらバカにされるだろうか、いやそれはないだろう。見た目からしてオタクの人だ。きっと悪いやつじゃないはずだ。
「出たらなんかまずかったのか?」
「…お、」
「お?」
「推しが燃えたから出る気なかったの!」
「!」
男はびっくりしていた
「なんの推しだ?アイドルとか?」
「気にするとこそこ?アイドルわからない、アニメだよ」
「え、見た目めっちゃ興味なさそうなのに!?」
「それは、周りには隠してるからであって…それより、アンタの名前も教えなさいよ!」
そういえば、コイツの名前聞いてなかったと思い出した。
「あ、お、俺は長谷川大地」
「そ、じゃいつまでかわからないけどよろしく」
「あ、おう!こちらこそな!」
私たちは握手をした。
「さてと、主人公頑張りますか」
男は、長谷川大地は立ち上がった
「はぁ?何いってんの、アンタ」
「あ?お前こそ何いってんだ」
「私がヒロイン。モブは黙ってなさい!」
「はぁ!?俺だって主人公だろうが!このモブ女が!」
「は、はぁ!?私がモブ!?」
どちらが主人公でモブか言い争っていたら
「…私ら服装からしてモブじゃない?」
はじめに戻った。
「…やめようぜこの話」
「えぇ、やめましょう」
今日から始まるモブ生活の二人。果たして主人公とヒロインになれるのだろうか…。
「いやなるんだよ」
「そうよ、絶対なってみせる」
と、二人は意気込んでいたが、これから起こることにモブは耐えられるのだろうか…。
次回!モブにはやっぱモブの武器がお似合いなのか!?街へ向かう途中にまさかの敵と遭遇!?果たして二人は無事に街へつくことができるのか!
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