妹たちの恋を応援していたら、いつの間にかヤンデレたちに囲まれていた
うるちまたむ
第1話 相談
コンコンとノックの音が2度聞こえる。
「入っていいぞー」
ガチャリと扉が開く音がして、俺の部屋に入って来たのは、妹の
「いきなりだけど、兄さんに相談がある」
「相談? どうかしたのか?」
「うん……。ちょっと恥ずかしいんだけど、わたし好きな人ができた」
「……そうなのか」
もう風吹も高校生だもんな。
そりゃ、好きな人の一人くらいできるか……。
妹の成長を見てきた兄として、少し感慨深い。
「わたし、初めてだからよくわからない。だから、アドバイスが欲しい」
「なるほどな……って言っても、俺も彼女とかいた事ないから大したアドバイスできんぞ?」
「うん、知ってる」
「……そんなストレートに言う? お兄ちゃんだって傷つくんだぞ?」
「でも、ニッチな需要はあると思う」
「それあんまりフォローになってないからな?」
俺がため息をつきながらそういうも、風吹は首を傾げるばかり。
無自覚な煽りが俺のガラスメンタルを傷つける。
「ゴホン……まぁ、好きな人ができたのはわかった。取り敢えず意中の彼はどんなタイプなのか教えてくれ」
「ん、これ」
手にしたスマホを見せてくる風吹。
画面にはかなり顔の整った爽やかイケメンが映し出されている。
「めっちゃ、イケメンだな」
「……そう。頭もいいし、スポーツも万能。クラスの皆から人気もある。兄さんとは大違い」
「一言多くない!?」
無自覚な煽りではない、ストレートな罵詈雑言が鳩尾に決まる。
そんなに虐められたら、お兄ちゃんそろそろ泣いちゃうぞ?
「とにかくそう言う人だから、ライバルが多い。だから大変」
「まぁ、そうだろうなぁ」
これだけのイケメンだ。
俺とは違って彼女を作るなど容易い事だろうし、言い寄ってくる女の子も多そうだ。
……あ、やべ……このままだとほんとに目から汁が出ちゃいそう。
「でも、まぁ風吹なら選んでもらえるだろ……めちゃくちゃ可愛いんだから」
俺の贔屓目というだけでなく、風吹は本当に可愛い。
なんせ、ウチの高校の『美女十傑』と呼ばれる校内美少女ランキングに選定されるくらいだ。
兄として俺も鼻が高い。
……というか、むしろ俺が風吹の足を引っ張っているけどな。
「本当に可愛い? だとしたら、兄さんはわたしのどこが可愛いと思う?」
風吹にしては珍しく不安そうな表情を浮かべる。
でも、確かにこれだけのイケメンなら萎縮してしまうのも当然か……。
仕方ない。ここは、兄として風吹の魅力を全力で伝えてやろう。
「まず目がクリッと大きくて可愛いだろ。あとは唇も瑞々しくて、鼻筋も通ってる。それに少し癖っ毛でゆるふわな髪の毛も可愛いんじゃないか?」
他にも褒めたいところは色々あったが、俺の語彙力が足りなかったのでそれくらいにしておいた。
「……そんなにペラペラとわたしの可愛いところが出せる兄さん、キモい」
「風吹が言えっていったのに!?」
「そこまでは聞いてない。完全なるキャパオーバー」
量の問題なんかい……。
じゃあ、語彙力足りてなくて良かったわ。
「それにわたしは胸も大きくない。男の人は大きいのがいいって聞いた」
「うーん……それは、人によると思うけどな」
「ちなみに、兄さんはどっちが好き? その人に似合ってればとかはなしで」
「先に退路が絶たれただと!?」
好きな女の子だったらマジでどっちでもいい派の俺にはあまりにキツい所業だ。
でも、まぁ風吹の手前答えるならば───
「ちっちゃい方がいいかなぁ」
「ホント?」
「あぁ、ホントだぞ」
「怪しい間があった……確認する」
「いやいや間なんてなかったぞ!? それに確認するってどう────」
俺が言い終わる前に、風吹は俺の腕に自分の胸をぺとりと当ててきた。
「兄さん、どう?」
「どうって……。 ほら、もう止めなさい」
「やだ。まだ確認できてない」
風吹は不満そうな表情を浮かべれば、押し付けるだけでなく、今度は胸を擦り付けてきた。
「……っはぅっ♡……ねぇ……どう?」
「……い、いいんじゃ……ないか?」
仄かに当たる柔らかくて、ぷにゅりとした感覚に段々頭が支配されて変な返しをしてしまった。
それでも尚、風吹は満足いかないのか、この背徳的な行為を続ける。
「……まだっ……ひぅっ♡……はぅ♡……大きくなってないもん」
「……大きくなってって……え?」
その言葉に違和感を覚えた俺は風吹を見ると、風吹の視線は俺の股間の辺りを向いていた。
「……こーら!もうバカなことは止めなさい!」
「あうっ……ちょっと痛い」
「お仕置きのデコピンだからな」
制止させる為とは言え、ちょっとやりすぎたしまっただろうか……。
そんな俺の心配を他所に、風吹は不服そうに頬を膨らませると、こちらを睨みつけてきた。
「むーっ!」
「いや、風吹が悪……こら、足を踏むな! わ、わかった、俺が悪かったから……!」
誤りの言葉を聞いた瞬間、足を踏むのをやめれば、また少しだけ不安そうに俺の顔を見てくる。
「……じゃあ、相談に乗ってくれる?」
「俺でよければいつでも」
「じゃあ……許してあげる」
満足そうな表情を浮かべた風吹は俺の部屋から出ていこうとする……かと思えば急に歩を止め、振り返る。
「……兄さん、相談に乗ってくれてありがと」
普段の無表情とは違う、優しく笑顔。
この顔を見せれば、あのイケメンだってイチコロなんじゃないか?
そう思ってしまうくらいには、可愛い表情だった。
「当たり前だろ」
「なんだかんだ、兄さんは優しいよね。なんでモテないか不思議」
「俺もそう思う。 まぁ、でも優しいのは当たり前だろ?」
「そうだよね……だって」
「「兄妹なんだから」」
一言一句同じ言葉に俺と風吹は顔を見合わせ、笑い合う。
「ふふ、こう言うところやっぱり兄妹……うん。 じゃあ、また相談乗ってね。約束だよ」
「あぁ、約束だ」
本当に約束だからね。
そう告げるように、風吹は立てた小指をこちらに小さく見せると、部屋を出ていった。
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同時更新中
やり直しているはずの青春がやけにドロドロしている。
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https://kakuyomu.jp/works/16818792439391579816
ヤンデレ少女達に『責任』を取らされる話
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