第5話 犯人確定(5日目)
中谷は有村が犯人だということにどうしても納得がいかず、一晩寝ずに過ごしてしまったため少し眠たいがいつもの事なのでだいぶ慣れている為、仮眠はなしにすることにした。
中谷はこの夜の間にコンビニの防犯カメラを見て気づいたことがある。有村が防犯カメラに写っていたのは被害者の死亡推定時刻の2時間前で他の捜査員はそこで動画を見るのをやめてしまっているが、中谷はそこから死亡推定時刻までの2時間を倍速にして何回も見たところ死亡推定時刻の50分前に加藤らしき人物が写っているのがわかった。帽子を深く被っており、車もわナンバーだった為加藤と確定したわけではないが、ナンバーはわかったのでその車を貸し出しているショップに聞き込みに行くことにした。
三笹に管理官に報告するかを聞かれたが、まだ確定してないため報告しないことにした。
そのショップは倉敷市にあったが被害者宅とは少し離れておりマップアプリで調べたら2時間と出てきた。中谷はショップに入って警察手帳を見せ防犯カメラに写っていた車の貸出履歴を見せてもらった。事件当日借りていた人は加藤ではなく柿田東夷という人物だった。
中谷は記載されていた住所に住んでいる人の情報を三笹に調べてもらったところ柿田という人物が住んでいないということがわかった。
中谷は倉敷署に帰ってこのレンタカーを借りたのは加藤だと確信していたがその証拠がないため上に報告しても現在は有村が犯人と決めて捜査をしているため、相手にされないと思い断念した。中谷はしばらくぼーっとしながら考えていると、三笹が今日聞き込みに行ったレンタカーショップの貸し出しの名簿をスマホで撮った写真を見ながらエクセルで再現していたが何かをまちがえたのか「順番を変えないと…」と独り言を呟いていたが中谷はそのひと言で頭の中で渦巻いていた点と点が線になった。考え方加藤のフルネームをひらがなに直して順番を入れ替えると柿田になるということを発見した。
かとうたいき→かきたとうい
中谷はこの事実を管理官に話したが、管理官は相手にしてくれず有村の方が証拠があるからという理由で部屋を追い出されてしまった。
また、鑑識のところに行って死後硬直などの話を聞いてみると今回の場合死後硬直が始まったのは死後2時間くらいからだと考えられているがその時間、加藤は最低でも現場から3時間は離れた家にいたことが周りの防犯カメラなどからわかっている。しかし、それは時間的に矛盾しており加藤が犯人ではないという証拠が増えてしまった。
中谷の頭の中で少しずつ点と点が線になっていった。明日、加藤にあることを確認すれば事件は解決できると考えた。
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