絹川愛華という人物像
今俺はふと思っていることがある。
絹川愛華って…何者なんだ?
そう考えてしまっているのは、もうこの際自己紹介しなくても伝わってしまうくらい自己紹介している有村翔だ。
だって実際そうではないか?俺は絹川のことをよく理解できていない。というか俺の後輩で、バレー部で、揶揄うのが大好きなこと以外は特に知っているところなんかない。俺は彼女とものすごい距離で接しているにもかかわらず、彼女のことをほんのちょっととしか知らないのはかなりまずい気がする。
そして絹川は俺の教室の窓から見える教室で普段過ごしている。校舎越しに見える彼女の姿は…例えるとするならテレビ越しに見つめるアイドルみたいなものか?絹川ってすごい人気者だし。ほら、何人かの男子が絹川に声をかけに行ってるよ。仲良くしてんな~。
…おっと、話し終わったら勉強し始めたぞ。
テスト勉強は前日に思いっきり詰めるとか言ってたのに、案外勉強するんだな~。それに…赤本?絹川も大学に行くんだな。まあ応援するまでとしか言えんが。
…もし絹川に彼氏ができたらどうなるんだろ。自分よりも身長の高い男子高校生を捕まえて…いや、ワンチャンさらに年上と付き合う可能性だってある。絹川の美しさと美貌…意味同じか、そしてその人柄があればすぐ彼氏ができててもおかしくないし。正直俺に執着している意味もよく分からんし。
「…まあいいか、考えるだけ面倒だ」
俺はただ、この日々の当たり前のように流れる時間を、サンドバックのように感じ取るほかなかったのだった。
――――――――――
この教室には、一際目立つ存在がいる。その人物は、他よりも圧倒的に高い身長でとてつもない存在感を放っていた。そしてその人物は学校中に知れ渡り、現在では人気者になっていた。
「愛華ちゃ~ん」
「あ、志保じゃん!」
そう、その人物こそが絹川愛華なのであった。
彼女は女子高生の平均よりも高い175.6cmという男子高校生顔負けの圧倒的な身長の高さを誇っていた。
「最近先輩とはどうなの?」
「やっぱり~、せんぱいの反応が面白くてつい揶揄っちゃうんだよね~」
「愛華ちゃんって先輩の事何気に気にかけてるもんね~」
そしてこの時、志保こと
(もしかして…無自覚な恋心って感じかな)
だがそう思われているとはつゆ知らず、絹川愛華は先輩をどう揶揄おうとかしか考えてなかった。だから相沢志保はとてもじれったく感じる毎日を過ごしているらしかった。
「…あれ?愛華ちゃんってそこの大学に進学するの?」
「うん」
「でもその大学って超難関大学らしいよ?大丈夫?」
「え?本当?」
――――――――――
ふむふむ、絹川はちゃんと勉強しているようでなにより。
まあ俺は早く大学に行ってキャンパスライフを楽しみたいところだからな~、絹川とは違う理由で大学に進学するんだけどな。
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