第9話 男の道5

 あまりの圧に、使者はその場で失禁した。わなわなと震えている。幸町は嘆息すると、

「生兵法は、

 おおけがのもと。

 多少武術ができるくらいで

 思い上がらぬことや。」

「は、はい!」

使者は深く頭を下げ、逃げるように去ろうとすると、

「待て。」

「は、はい!」

「床を拭いてゆけ。

 きれいにな。」

「は、はい!」


 余談だが、真田幸町・80歳。あの真田家の子孫でも一門でもない。あくまでも自称である……。

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