【??転生】■■が異世界転移した結果を考察しました。

@Howmuchcanyoudiscuss

概念

時間(その物)case1.時間がない世界

この世界には、時間がなかった。


 草は芽吹いた瞬間に永遠の芽であり、石は割れた瞬間に永遠の破片だった。


 彼らの言葉に「昨日」も「明日」も存在しない。ただ「ある」だけ。


 そこに、ある日、「時間」が降り立った。


 時間は姿を持たないが、世界を震わせる存在感を放っていた。


 ——私が来た。


 そう告げるだけで、世界は変わりはじめた。


 雲が流れ、影が伸び、草が成長し、枯れ落ちた。


 永遠だったものは、有限に刻まれていった。


 そのような「時間に依存した変化」が訪れた。停滞も終わりを迎え、未知が生まれた。


 


 時間はただ見つめていた。


 自らが楽園を壊したのか、牢獄を解いたのか、その答えを知ることはできない


 ある者は「進歩」を見た。


 歴史が生まれ、学びと技が積み重なり、文明が立ち上がっていく。


 ある者は「破滅」を見た。


 戦が起こり、欲望が拡大し、終焉が避けられなくなる。




 進歩か、破滅か。


 楽園か、牢獄か。


 それは常に表裏一体であり、時間そのものも答えを持たなかった。




 ただひとつ確かなのは——「歴史」が始まった、という事実だけだった。


 時間はその歩みを止めず、世界を刻み続ける。


 


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