帰還のヘルズゲート

生獣屋 芽怠

プロローグ

 

 あの高い空はどこまで続いているのだろう。


 平凡な毎日を繰り返す、だけどそんな日々が幸せである事は当に知っている。

 それなのに何かが欠けたように感じて、不安が纏わりついて私を苛む。


 世界はちっぽけな自分を残して回っている、そんな疎外感。


 最近変な事ばかりを考えている……。


「あはは、馬鹿みたいだ」


 視界を覆う淡い桜色が木々に生まれて風景を支配していた、これから通う学び舎までの道は長い。


 この道の先には何が待っている?


 楽しい事?


 悲しい事?


 いろんな思いが交差する世界。


 この世界は脆くて美しい。


 さぁ前に歩こう、歩かなければ何も始まらないのだから。


 生徒達のざわめきに紛れて学び舎へ踏み入る、何かを期待して。


 未知だけが行動の原動力だった。


 

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