今夜は月が綺麗ですね。

芙乃

first episode 初恋

「ねぇ、私は君を知りたいんだけど。」

そんな言葉を軽く僕に放つのは劇団の先輩の園田 咲良 (そのだ さくら)さんだ。Theヒロインって感じでとてつもなく綺麗だ。僕が彼女に初めて会ったのは10歳の時だった、僕はSUNNY劇団という劇団の一員だった。僕が初めて出演した舞台「初恋」で咲良さんと共演した。はじめて好きな人を抱きしめた、本当に初恋だった。だけどもう彼女は隣にはいない。



「零、17歳の誕生日おめでとう。」今日誕生日だったなとマネージャーのメッセージで思い出す。

僕は中学3年になった頃に声優としてデビューした。劇団の先輩からお前は声がいいから声優をしてみるといいと言われたことがきっかけで声優の先輩に指導をしてもらいすぐに声優デビューをした。僕が初めて出演したアニメは恋愛もの「君と僕との距離」という作品だった。原作も周りからの共感を得て人気だったためアニメが放送されるとすぐに話題になった。よく言われる2番手男子を演じ、SNSではこの声優さんリアル中学生なの、顔もいいと話題になり業界ですぐ名を馳せた。

僕はしっかり人の目を見れない。小学5年生の時に中学2年生の咲良さんは言った。「零くん、君はかっこいいから私の目を見て、しっかり話さないとだよ。」と僕は5年生ということもあり、無言でうなづいて照れ隠しをした。小学生の頃みる中学生2年生なんてほぼ大人なんだ。

僕のハートはあの日、貴方に盗まれたままだ。

だから早く僕に振り向いて、そして僕は貴方に言うよ貴方は僕の初恋だったこと、そして今も僕の鼓動の高鳴りは変わっていないと。


ねぇ、零くん私はどうしたら君に近づけるのかな。私はもう君の声が聞こえないんだよ。



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