第8話
その後、放課後になった
「ふう〜」
今日は疲れた。ここまで疲れたのはいつ以来なのか覚えていない。ここ最近では1番疲れたと断言できるほどに疲れた。理由は今日の入学式で王女と王子と友達になってしまったからだ。そのせいで王女の構って欲しい犬のように来て、王子が王女の地雷を踏んで喧嘩の繰り返し
今日だけで3回は喧嘩しただろう。あの後にも喧嘩が起きて面倒くさかった。あんなに喧嘩しても仲は悪くないというか…まあ、喧嘩するほど仲がいいって言えばいいのだろうか?
「疲れるは疲れる」
正直疲れた。今までとは違う日常というのは慣れるのが難しい。環境に適応する能力の高い人間言えど限界はあるだろう。あの王族姉弟は俺の人生を大きく狂わせる存在となるだろう。間違いなく、巻き込まれていく未来が見えている。
「まあ、友達いないよりマシか」
ひとりぼっちで過ごしていく学園生活よりマシだと考えて前向きに進むのがいいと俺は思っているがどうだろうか…
寮生活をすることになった俺は寮の自分の部屋に行く
そこには
「やあ」
王女がいた。は?なんでいるんだ?王子ならまだ分かる。同性ならば部屋に侵入はできるだろうし、王族の権限でできることは多いため、分かるがやるなと文句を言いたい。やってることは不法侵入。
でも、流石に王女は駄目だ。女性が男性の部屋に入るとか予想外などころの話ではない。なぜいるんだ?理解できない…なぜ、俺の部屋に来たのか目的もわからない
友達だから侵入した?そんな馬鹿な理由はない。いくら友達だからと勝手に入っていいわけではない。本人が許可したならば問題ないし、誰か家族とかから許可したならまだ分かる。
だが、彼女には許可をしていない。それどころか、なぜいるんだ?という気持ちも大きい。今初めて部屋に入ったというのに王女に先に越されてしまったのも残念…って言っている場合ではないか
「なぜいる…?」
「簡単な話さ。寮の管理人から教えてもらったのよ」
「は?待て待て!なんで教えたんだ!?王女の権限?」
「まあ、間違っていないわね」
「目的は?」
「君に会うためにね。友達の部屋なんて初めてで新鮮…ドキドキしちゃうわ〜」
「ドキドキするのは俺だわ。なんで入るんだよ」
別の意味でドキドキだわ。恋とかじゃなくてな。全く、なんでいるのやら…初めての友達の部屋に行きたいからとか行ってみたいとか何を考えているのかわからない。構って欲しい犬ですらそこまでやらないだろうに…
「だって……楽しみだったもん…!」
「おいおい、まず考えろ。入学の日に異性の部屋に入るか?今日で初対面の人とかさ…何を考えてるんだよ」
「いいじゃない」
「よくねえ…」
平和は怖いのか…はぁ…
_____
オマケ
学園の外に出た頃、ユリと別れたメイとアルベルト
「それじゃ私は用事があるから行くわ」
「は?どこに?」
アルベルトはユリを睨んでいた。どこに行くのかはわからないが何かしようとしているのはすぐに予想できた。それはユリの部屋に行くことだろう。
なぜ、そうと考えるのか。メイは他人の部屋に行く癖があるとかそういう方を犯すようなことをしているような人ではないと分かってるが友達との関わり方があまりにも初心者であるため、加減がわからない
いや、やり過ぎる方向に進んでしまう可能性がある。先程の教室での態度。アレを見てから何をするのかは予想できてしまう。アルベルトはため息してしまうほどに呆れていた
「そりゃユリの部屋」
「はい、アウト!駄目に決まっている。そんなことをしたら王族の恥だ。いくらなんでもそれは見逃すことはできないよ」
「いいじゃない」
「よくないね」
「むう〜…」
頬を膨らませるメイ。どうやら、行きたかったようだ。メイの態度と言葉にアルベルトは肩をすくめる。呆れ以上の行動をしようとしているメイ。いくらなんでも友達を得てからの行動が異常すぎる。
「駄目に決まってーちょっと!」
メイは無視して走っていく。その姿を見て追いかけようとしたが足を止める
「俺が関係していることじゃないからいいか」
追いかけるのが面倒だと心の中で思うもどこか心配なところはあった。メイではなく、ユリに対しての心配だ。姉に何かされてしまうのかと言う心配。次の日にどんな姿になるのか、それはアルベルトですら予想できないこと
「それは彼に任せよう」
まだ会って数時間の男に信頼するアルベルトは歩いて王城へ向かうのだった。
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