第4話

「痛い!なんだよお前!」

「あら、この国の王女たる私に失礼なことを言うわね。"お前"?死刑でもされたいのかしら?」

「不敬罪以前に俺の顔に爪をめり込むな!人様の目を見てほじくるとか異常者かお前!」


顎が痛い。こうも人様の顎を掴んで目を見るとか一種の変態だ。目が満月みたいとか何か言ってるがいくらなんでも初対面相手にやらないでくれ。と言うか、なんでこんなことをするだこの人。


入学式の日から頭が痛くなる。この学園相当やばいところのようだ。入学時点で頭痛薬が必要なほどに異常。原因の大半が目の前の女性。この国の王女であるが初対面を相手にやべえことをしている変態。何度も言う、癖の強い"変態"だ


「そういや、名前を聞いてなかったわね」

「ユリ・アザライトだ」

「メイ・フォン・アクトよ。私の友人にしてあげる」

「断る」

「は?」


何驚いた顔をしてんだ?この状況から友達なんてなるわけねえだろ。顎痛いんだわ俺。あんまり話しかけないで欲しい。


あんたがやってること初対面の印象最悪な行為だ。発言も行動も常識はずれ。これがこの国の王族のあるべき態度なのか?


「は?じゃねえよ。突然俺の顎を掴むとか意味わからん」

「…」


不機嫌な顔をするんじゃねえよ。こっちがそんな顔をしたいわ!というか、友人にしてあげるだと?こいつ、俺が友人になってくれる人だと思ってんのか?ねえだろ普通に


「言っておくが普通、こんなことをしないからな?王族の常識?と庶民の常識の基準が違うとしても今のはおかしいだろ」

「そうだね。君の言う通りだ」


すると来たのは銀髪の男。さっき見た王子だ。

銀髪青目の王子。外見がそこにいる問題王女に似ているから双子だろう。


「やりすぎたよ。今のはお前が悪い」

「あら、私に文句でも言いたいわけ?ねえ、アルベルト」

「俺はお前のやってる行動に異議を唱えている。何故かわかってるかな?人様の目をほじくるとか何を考えているんだ?恐怖政治のような独裁でもするのがお前の生き方か」

「あ?恐怖政治?馬鹿ね、そんな民衆がついてこれないようなことをして何が王族よ」

「ブーメランだね。まさにお前がやってることはそう言うことだよ。恐怖政治に似たようなことをしている。王族は国民を守る義務がある中でその決まりを破る者は俺からしたら悪だ」


仲悪いなこの2人…兄弟でこんなに仲が悪いものか?いやまあ、王子のほうはまともなことを言ってるから周りの人たちが謎の感銘を受けている顔をしているけど


「姉に対して随分とでかい態度を取るわね。姉の友人関係に異議を唱えるなんてなんとも愚かな弟」

「愚かはそっちだろう?俺の言葉聞いているのかな?都合悪いから聞いていないのか」

「聞いているわよ。それが何か?」

「お前がやってることがどれほど危険で無責任なのか理解していないならどんなに優秀だろうとその性格じゃ国民は着いてこれないね」


2人はバチバチと睨んでいた。ここで睨み合いでくれ


_____


おまけ


アルベルトは教室の扉の前に来た。


「へえp…みんな強いね…」


窓から見える赤クラスの生徒たちの実力を一目見て笑う。赤クラスに来る新入生は最低でもスキルレベルが201以上。自分に匹敵する人は何人かいる。だが、彼の自信は高い。


スキルレベルが高かろうとしても自分の能力の前で無意味だと


彼にはそれほどの自信を持っていた。そして、赤クラスに来る新入生は彼にとって自分を高みに導くための駒としか見ていない。


「さて、これからが楽しみだ…」


ニヤリと笑って教室の中に入った。

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