元勇者で英雄のオッサンと暮らしてる竜の子供のところに三人のお嫁さんがやってきた。

篠崎 ムツ

第1話 元勇者で英雄のオッサンと5歳の竜の子供

 俺はジーク=ゲトルド。みんなにはジークと呼ばれている。若い時に勇者をやって、魔王を倒し、その後、しばらくは冒険者をやってた44歳のオッサンだ。冒険者を辞めたのは5年前。冒険者として、魔王と並ぶ、史上最強と呼ばれた、黄金竜を倒し、その黄金竜が死ぬ前に頼まれたのが竜の子供、セシリア。

 

 セシリアは女の子で、5歳になる。今の俺は、勇者をやってた王国で、スローライフにのんびり子育てをしながら、城下町の何でも屋みたいな事をやってる。

 セシリアは活発な女の子だが、頭は良い。人間の姿で竜の姿は隠している。そして、生まれた5年前から、俺と一緒に暮らしている。甘えん坊で、俺の本当の子供みたいに俺の事をお父様と呼んでいる。

 悪い気分ではない。むしろ、毎日毎日の成長が楽しみで実の娘と思いながら、育てている。

 瞳は金色で髪の色も金色に光る事から、金色の子供(こんじきのこども)と呼ばれる。

 当然、俺には似合ってないくらい、見た目は綺麗な子供だ。 

 そんな俺達に来訪者が突然来た。


 「えっと、ジークさんの家で宜しいでしょうか?」


 「はい。そうですが、、、あなたは?」


 「父に言われて来ました。ガイア=ビュートの娘のソニア=ビュートです。」


 「あー、ガイアの娘!?あのソニアちゃんか!?綺麗な大人になって、懐かしいね!!もう会ったのは何年前かな?それで国王の娘の第一王女のソニアちゃんは俺に何の用事なんだい?」


 「えっと、えーっ、実は父親に言われて、ジークさんに嫁ぐように言われました。」


 「…へっ?嫁ぐ!?誰に?」


 「ジークさんにです。私も18歳になりましたので、、、」


 …聞いてない。ソニアの父親は勇者のパーティーの一員だった。魔王を倒した後、その時の国王の娘と結婚した。ソニアは勇者パーティーの一員の子供になる。


 それはそーと、俺は女性アレルギーだ。何故かは分からないが女性に触られるだけで、ブツブツが出て、それで女性にいくら言われても断って来た。

 国王のガイアはその事、知ってるはずだろ!!

 しかも、自分の娘を俺に嫁に送るとは何でだ!?  

 新手の嫌がらせか!?


 「父親から手紙を預かってます。お読みください。」


 とガイアの手紙を見た。


 「娘の第一王女のソニアをジークに頼みたい。同じ勇者パーティーの仲間であり、友であるお前になら、ソニアを安心して任せられる。

 後は女性アレルギーを早く治して、お前は早く結婚しろ。それと早く孫の顔が見たい。」


                   ガイア

 

 って何でだ!?


 そこでセシリアが来た。


 「これは、第一王女のソニア様ではあらせませんか?ご機嫌麗しゅう御座います。私はジークの娘のセシリアです。宜しくお願い致します。」


 そして、ソニアが


 「あら~、凄い可愛い子。ジークさん、奥様がもう、いたのでしょうか?私はあの英雄で、元勇者のジーク様なら奥様や子供が居ても構いませんよ。第一、宗教違反にもなりませんし、、、」


 ソニアはまるで気にしてない。俺はセシリアとのスローライフを送りたいだけなのに、、、


 そして、またドアが開いた。


 「ジークさんってここの家ですか?ジークさんのお父さんに言われて、嫁ぐように言われました。カレン=シャルロットです。カレンとお呼び下さい。」


 えっと、この状況は!?一体、、、


 そして、またまたドアが開かれた。


 「ジークさん、お久しぶりです。女神族のアステナです。約束通り、天界で大人に認められたので、地上人になり、お嫁に嫁ぎに来ました。」


 …これは一体、、、俺は何をした!?


 その日、三人のお嫁さんが俺に来た。

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