最高な演劇を作るわよ
「ゲームのしすぎ」の続きだよ
祝⑩話!やったね!今後もよろしく!
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「どう?」
「めっちゃいい!すごくいい!」
演劇部の子の誘いに応じて、メッセージを送って二週間ほどが経った。
劇の練習をして、打ち合わせとかもして、あともう三日くらいで文化祭当日になる。
私はゲームのキャラに嫉妬している。クイベルとかいうぽっと出のやつなんかに負けて赤城さんが奪われることを危惧している。…正直うらやましい。ずるい。
だから、今回は私が攻撃するターン。向こうがターン制RPGのキャラクターなら攻撃ばかりしていられないはずだ。だから今度はこっちが攻勢に出て赤城さんを奪い取る。そして私の方がかっこいいって言わせてやる。
「うわ、黒崎さん完璧だわ。」
「頼んでよかったでしょ?部長!」
「ナイスすぎ。完全に役にハマってる。これなら学校中の男も女もメロメロになること間違いないわ」
「ふふ、ありがとう。」
「うわぁっ!今の聞いた!?「ふふっ」だって!ちょっと困ってる表情なのえろすぎ!」
こんなに喜んでくれるのが少しうれしくて、演劇経験者からこんな評価をもらえるのであれば、赤城さんもきっと振り向いてくれる。と思ってありがとうって言ったけどなんかよくなかったらしい。地雷を踏みぬいたかもしれない。
「今からでもポスター作り変えるべきだわ!!」
演劇部の部長はそんなことを叫びながら、まだ準備してる途中のほかの役の人たちに無理やり着替えさせて、ポーズを取らせて写真を撮り始めた。
なんというか、こういう人たちって心から楽しんでるんだろうなって思うと同時にこのような形で演劇部を利用してしまって申し訳ないという気持ちが強くなった。
というか、この衣装めっちゃ着心地いいんだけど。他の服と違って着るまでに時間はかかるけど生地がいいのかぜんぜん暑くないし肌触りがとてもいい。こういうのって大体手作りする物だと思っているけど、だいたいどれくらいしたんだろうか。
黒崎は、ほかの演劇部の人たちと同様に演劇部の部長が求めているポーズを取らされて写真を撮られた。黒崎が最後だったのか部長はカメラのSDカードをパソコンに差し込んで写真をイジり始めた。
「プロ顔負けの最高な演劇を作るわよ~!」
と言いながらパソコンを操作する部長の顔はすこしだけ怖かった。
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