"自称"美少女の理想は清楚なのだがっ!〜現実はきったねぇ不純な訳だが〜

アレクサンドル

プロローグ

プロローグ 『"白い世界"と"きったねぇ現実"』

 神なんて、信じない。この愛は自分が手に入れたものだから──ずっと自分を信じてきた。

 "アイツ"を探しに"白い世界"に行く日までは──。

 


◇◇◇



 生まれ変わりたいよ──神様。

 合わせてくれなんて……言わない。

 せめて、今の記憶を"全て消せよ"──。

 "言いたかった"、"ギュ"って……手に触れて欲しくてさ──。

 匂いを嗅ぐだけで、温もりを感じるだけで"生きてく意味"を感じる──そんな記憶が私を縛る。

 この記憶を刻見続けるくらいなら……いっそ、全て終わらせてよ。

 もう神しか信じられないんだよ──。



ーーー



 『あ……』



 "その日"、私、駒田天こまたそらはある場所で目が覚める。

 そこは白く、周りには何もない。その白さは暖色のようで寒色が同居する……そのあべこべを孕む世界は残酷さを表してると私は感じた。

 何もないただの地面も周りも空も、宇宙そのものが真っ白な世界。そこに私は立っている。


 ──もう数えきれないほど見てきた世界だ。



 『……』



 裸足で純白のドレスを着て立っているこの状況には何も違和感を持たない。ただ立っていて体は動かない──。

 なんだろ……鏡がないのに自分の表情が手に取るように分かっちゃうのも、いつものこと。

 けど──。



 『あれ……ここは──』



 全て理解していても、受け入れたくない。

 夢か、現実か……頭が朦朧するような感覚で必死に口に出したい言葉を拙いながらも言ってみる。

 そうすれば見つかると思って。

 でも、"見つからない"。



 『……』



 ただただ、心地よさが体を蝕んでくる。でも、この空間が一番好きなんだと最近気づいた。"アイツ"の記憶に入り込めた気がするからかな──。



 『─』

 『!!』



 後ろに誰かいる──。



 『あ──』



 分からないけど、背筋がゾクっとしたな。

 怖いようで嬉しい……笑いたくても笑えない、そんな感情がグルグルしている。



 『……!!』



 ダメだ。体が金縛りに合ったように動かない──。



 『(……あぁ、"また"か)』



 そして──。



◇◇◇



 「……」



 目が"開いていた"。



 「夢──」



 ふと、自分の呟く小さい声が胸を強く打つ。その世界の正体がどれほど私を狂わせてきたのか──。


 今、暗いアパートの和室で半袖短パンで布団に寝転がっている。でも、起き上がろうとせず目をまた瞑る。

 前までは体に滲んでた汗も今は、額だけで済んでる──。

 

 壁にかけてある時計の針の音が聞きたくないのに、自分を追い込んでるような気がした。ムカつくな──。


 ふと、体が急に熱くなっていく。でも視界は瞼の裏側が目の前で"黒い"──。

 白い世界を見る為に黒さを求めるって、なんの皮肉だ?



 「そうだよ……だから──」



 もう、自分の近くにはいてくれない。

 


 "『天はやっぱ"面白い"よ』"



 ムカつく程繰り返し言われてきた言葉。



 「バーカ」



 また……聞かせろよ。

 ──聞きたいんだよ。



 「ワンっっ!!ワンワンっ!!」



 うるせーよ……っっ──外の犬の鳴き声が私をさらに逆撫でしてきた。このちょっとした騒音に目が揺れ始める。

 だから、いつものように幾度目かの全てを胸に受け止めて、"手を握る"。



 「会わせてよ、神様ぁっ……」



 喉を震わし絞り出すよう、でも静かに声を上げる──信じてもないものに祈る滑稽さ。

 自分でも分かるくらい情緒がおかしいな──子供みたいにさ……。

 視線を寝転がる先の棚に飾ってる"写真"に移す。

 そこに映ってる男性が今も、昔も、これからも"ただの大切なモノ"……それだけだから。



 「朝……か」



 明朝となり、空が薄明に染まり出していた。

 ここ最近、眠れてないことを今更になって思い出す。



 「後少し……行かせて」



 そう呟き、目を瞑ってまた……あの夢に──。



 「今日は"お父さん"、会いに来てくれるよね?」



 可愛く寝息を立てる"小さな頭"を撫でながら、縋るように私は呟いた。この"匂い"がアイツを思い出させてくれる。

 触れ合った皮膚が、舌の味が、汗の温かさが……心に蘇りさらに強く瞼をギュッとしていた。



 「……」



 あそこでしか会うことの出来ない"アイツ"をまだ諦めきれずに──。



◇◇◇



 この話は駒田天──そして、私の全てを変えた比嘉篤志ひがとくしの人生を描いた物語だ。



ーーー



 ──まぁ、そんな神秘的な話で済むほどじゃ"汚い"とは言えないよね。ここで私、駒田天が付け足させてもらいます。



 そんなだけで進んだらすぐにページを進めるのをやめてしまうよね?この物語は短いようで長く、一つの変化でこの世界が特別に見えてしまう青っちょろい思春期真っ盛りでバンバン下ネタやブラックジョークを吐く高校生の日常を美しく描こうとしている訳。



 例えをあげれば、「アホ」を「酒を飲んで記憶がなくなるくらい酔ったら"俺は世界最強だ!!"って厨二発言するやつ」てな感じで地味にイラつく長い皮肉をマジ合わせるような、つまり私が苦手なサドタイプも出てくるんだわ……ほんとマジでやだよ……。

 つーかシンプルにアホやイカれたのも出てくる。高一っつったらそれが普通よねー。



 んで、特に嫌なのが、現実ではただの卑屈っぽい男なのに、「ガチムチハイスペック美女と俺は結婚できる!!」って妄想だかで、自分の本質を本気で強く過信してるの。世界最強発言よりヤバいだろ。



 自分のことでも精一杯なのに辛いと周りの人のこともよく考察して更にストレスになって……あぁ、美しいだけで終わらせようとしたけど現実はそんな美しくないの。もう、嫌になるくらいムカついて、泣いて、困って、苦しんで……そんな繰り返し。

 でも、その中である"笑い"が、"喜び"があるから人生は楽しいって思えちゃう不思議。



 だって、本気で幸せだって思える瞬間なんて生きてたら少ないんだよ?なのに、その幸せを感じるだけで生きるしかないって考えられたりする……私の勝手な考えだけど。



 まぁ……イカれたようで笑える、そんな物語を送ってました。

 これは私のただの人生であり、"沢山の初めて"を経験させてくれたアイツの全てを知る程──"私は私"だと死ぬほど苦しめられた話でもある。



 いやー、マジで大変。あの"クソ"と出会ってから全てが変わってくんだよ?

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