女子高生探偵~中野宮オートキャンプ場の謎~

みららぐ

第0話



突然ですが、【中野宮オートキャンプ場】を知っていますか?


これは、F県に住むとある50代の男性が体験した話です。

その男性「T原さん」はキャンプが趣味で、ほぼ毎週のように色んなキャンプ場に行っては「キャンプ」を楽しんでいました。

「次はどのキャンプ場に行こうか?」そう考えていた時、インターネットで「中野宮オートキャンプ場」を見つけたのです。

そこは隣県ということもあって、T原さんは次のキャンプ場を「中野宮オートキャンプ場」に決定しました。


ネット予約をしていざキャンプ場に行ってみると、目の前に広がる「崖の上から大きな青い海を見渡せる絶景スポット」にT原さんは感激していたと言います。

その上、なんとその場にいた60代くらいの男性オーナーに、料金は「1泊1サイト500円」と言われました。

非常識とも言えるその激安価格に、T原さんは驚きつつも「もしかしたらここは穴場スポットかもしれない」と早速指定したサイトに向かいました。


…ところが。


その直後、テントを設置しているときに事件は起こりました。

なんと、たくさんの木々に囲まれたそのキャンプ場に似つかわしくない「白い着物を着た髪の長い女性」が現れたのです。


「5歳くらいの男の子を見かけませんでしたか」


そう問われたT原さんは不思議に思いつつも、「見ていません」と答えます。

その場はいったんそれで収まりましたが、やはりT原さんは納得がいかないながらも、「1泊だけだから」と自分に言い聞かせ、その日はこのままそのキャンプ場で一晩過ごすことにしました。


…しかし、その夜。

T原さんがなかなか寝付けずにいると、テントの外から男の子の泣き声が聞こえてきました。

「なんだ?」と思いつつ外を見てみると、なんと街灯の真下に男の子の顔だけがこちらに顔を向けた状態で浮かんでいたのです。


T原さんは大きな叫び声をあげて、再びテントに潜って持参してきて毛布を頭からかぶりました。

そして昼間見た着物を着た女性のことを思い出すと、「この場所に母親はいない!」と言いました。


するとその直後、男の子の泣き声はやがて聞こえなくなりましたが…

…そんな恐怖体験をしてしまったT原さんは、翌日になってオーナーに昨夜の出来事を話しました。


「────…こういうことがあったんですよ」


するとオーナーが、「…実はこのキャンプ場…昔があったんですよ」と男に一言そう告げます。

直後にオーナーが「冗談だよ!」と笑い飛ばしてくれたそうですが、キャンプ場を出てすぐのコンビニで男は車を停めて、先ほどの「中野宮オートキャンプ場」をネットで検索してみました。


…しかし、何度検索してみても、宿泊前には確かにあったはずのそのHPに辿り着けません。

「中野宮オートキャンプ場」のネット予約をした際にHPから貰ったメールを呼び出してみると、なんとそこには文字化けした文章がズラッと並んでいました。

再び大きな恐怖を覚えたT原さんは、直後に入ったコンビニ内で店員に「中野宮オートキャンプ場を知っているか?海沿いのキャンプ場!」と問い詰めます。

すると直後に、コンビニ店員から信じられない言葉が返ってきました。


「う、海沿いって…ここ、そもそもっすよ」



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T原さんはいったい、どこで宿泊をして何を見ていたのでしょうか。



【中野宮オートキャンプ場】について何か知っている方が居られましたら、DMにて情報を送って下さい。







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