第12話、ダンジョンからの脱出へ

俺はすぐに周りの状況を確認をしているとどうやら俺は運がないらしく魔物たちの巣窟に飛ばされてしまったようで一斉にこちらを見て獲物が迷い込んできたような顔をしていた。


まあ、実際は迷い込んできたのではなく飛ばされてきてしまったの訳だけど・・・。


それにしても見た事も聞いたこともない魔物ばかりだなと感じていた。一部の魔物は見覚えがあるものもいるがそれはデカイ百足とか明らかに巨大過ぎる蜘蛛とかはファンタジーではなくても大きさこそは違うけど地球でも見られるからな。


まあ、問題なのは明らかに尋常じゃない大きさなのだけどと考えていた次の瞬間に一斉に俺に向かって魔物たちが襲ってきたのであった。


その数も多い上に色んな魔物たちが集まってきていた、最初にこのダンジョンに出会ったデカイ百足みたいなやつもそうだし俺が滅茶苦茶に苦手な蜘蛛みたいな魔物も襲ってきていた。


そうですよねと思いながら俺はそれらを避けながらヴィントランスで攻撃をしながら撤退をしていた。


まずは狭い路地に入り込んでから敵の大群の利を失わせてから戦わないと確実にまずいと考えて俺は狭い路地まで逃げてからヴィントランスで迫りくる魔物たちに対して攻撃を放っていた。


そうして魔物達の死体で狭い路地を封鎖させてすぐには追ってこれない様にしてからすぐにその場から走り出して逃げていた。


まずは帰り道の確保または離れ離れになってしまったシャルロッテさんたちとの合流だなと思いながら狭い路地を走り抜けていた。


そうして走り抜けた先に待ち受けていたのは奈落と言ってもおかしくないほどの大きなそこが見えない穴であり反対側の壁にはここと同じような小さな路地が見えていたのでそこに逃げるしかない。


ここを飛び越えるのはヴィントを使ってもかなり勇気が必要だけどここに待っていても来るのは確実な死のみでありならば少しでも可能性にある方を向かうしかないと考えた俺は勢いよく飛び出してからヴィントで空高く舞い上がった。


そうして勢いよく飛び出した事もありかなりのスピードを出していたが何とかして大きな奈落を乗り越えてそのまま壁に激突をした。


その衝撃で体中が打撲してしまったらしく痛いがそれだけで済んだと言うべきかなと考えていた。


そうしてそれからすぐに後を追って来ていた魔物たちが勢いよく止まれきれずに奈落に落ちた魔物たちもいたのだけど・・・一向にドーン!と音が聞こえないのですけど。


この奈落、本当に信じられないぐらいに深いらしく魔物達も怯えてここから先に進もうとしてこなかった。


それだけこの奈落はとても危険な場所なのだなと改めてそう感じていたが今だけはそれに感謝をしていた、そのおかげで命が助かりそうなのであるから。


そうして荒れていた息を整えながらこれならば流石に助かったかなと思っていた時に一部の魔物たちが前に出てきて何をするつもりだと思って見ていた。


すると最初に倒した大きなムカデらしいのが壁にしっかりと引っ付きながらゆっくりと壁を移動を始めてきていた。


そして蜘蛛みたいな魔物も糸を吐いて足場を作りながら近づいてきていた。


おいおい!!冗談はよしてくれと思いながらも現実を受け入れながら俺は迫りきていた魔物たちに対してヴィントランスを放って応戦をしていた。


それで数体は奈落にそのまま突き落としたけどそれでもお構いなしに魔物たちはこちらに向かってきていた。


まずい、一人では抑えきれないとして俺は狭い路地に向かって逃げ出してから今度はその狭い路地の天井に向かってヴィントランスを放ち崩落をさせ始めた。


良し!後は全力疾走して逃げるだけだとして全力疾走で逃げていると広い空間に逃げられてそこに勢い良くダイビングして助かった。


まさしく九死に一生を得たと言うところかなと考えているとトーシュエンさんですよねと声をかけられたのはシャルロッテさん・・・いいや、瞳の色がいつもみたいになっているからもしかしてと思って声を出した。


「もしかしてシルヴィアさんですか?」


「はい、すぐに分かってくれてありがとうございます、トーシュエンさん。いきなりお尋ねしてしまいますがここは何処なのでしょうか、昨夜から女神シャルロッテ様に体を貸してしまっていましたので状況が飲み込めないのですが」


まあ、そうだよね。シルヴィアさんからすればいきなり教会からダンジョンになっているような物だからそれは意味が分からないと思うよねと考えた俺は出来る限りに分かりやすくシルヴィアさんにこれまでの事を説明したのであった。


するとシルヴィアさんは私が女神様に体を貸している間、そんな事が起きていたのですかと驚いていた。


そして女神シャルロッテさんの話だとここはかなり難易度が高いダンジョンらしいと言うとシルヴィアさんは不安そうにしていた。


それはそうだよなと思いながら俺は元気を出させる為に話を始めた。


「でもシルヴィアさん、心配しないで下さい。俺がなんとかして貴女を守ってみせますからこう見えて女神、シャルロッテ様から周りの者たちに比べて遥かに強いと評価をされていますから安心をして下さい」


そうやって元気そうにして伝えるとやはりトーシュエンさんは少しばかり嬉しそうにして話を聞いていたら何か違和感を感じている様子だった。


何かあったのですかと聞くといいえと言いながらシルヴィアさんは持っていた薬を飲んでいた。


「すみません、トーシュエンさん。私は少しばかり病気持ちでその症状が出そうだなと感じていたのですよ、心配かけてすみません」


いいえ、別にそれは良いのですがシルヴィアさん、病気持ちだったのですか!?


俺はそちらの方が驚きましたよ、しかも薬など飲まないとならないってもしかしてこの世界観ならかなり重い病気だったりしますよねと思いながら聞いていた。


シルヴィアさんの病名が知る事が出来ればもしかして何とかなるかもしれないが今は無事にここから脱出する事が大切だなと考えた俺はとりあえず疲れた体を休ませていた。


それを見ていたシルヴィアさんが俺の体に怪我が多いことに気がついたのか回復魔法、キュアを唱えてくれていた。


回復魔法なだけに早く回復するなと感じているとシルヴィアさんから何か違和感を感じますかと聞かたれたので全くも感じていませんから安心をしてくださいと伝えた。


するとシルヴィアさんはそうですかと少しばかり安心した様な顔になって本当に心配してくれているのだなと改めて聖女と呼ばれるだけはあるなと感じていた。


そうして回復もほとんど終わらせてから俺は辺りを見て上に繋がりそうな通路を考えていた時に風魔法で探知出来ないかなと感じて風の動きを風魔法で読み始めていた。


風の空気が伝わる方角、そしてその場所を探しているとこのフロアの一つの通路からそれを感じとりここから出られるかも知れないと感じた。


絶対にとは言い切れないがここまで風魔法で乗り切った事もあるので少しばかりは信じる価値はあるなと思いながらシルヴィアさんに伝えるのだった。


「シルヴィアさん!ここから出口に繋がるかもしれませんので共にダンジョンの外に出ましょう。少なくてももう片方は女神様がついていますので心配することはないと思いますので」


「確かにそうかも知れませんね、ならば私達も一刻でも早く外に出て二人を安心させましょう」


何かシルヴィアさんの顔色が複雑なような気がしてきたけどまあ、ダンジョンの外に出れば不安も無くなることだし大丈夫だろうと思い俺とシルヴィアさんは外の風が通じる通路からダンジョンの外に目指して歩き始めたのであった。

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