すてきなお話でした!
以前、一人暮らしを始めるにあたって、母に「この大量のぬいぐるみ、全部新居に持っていくつもりなの?」と言われ、悩み悩んでいくつか棄てることに決めたのですが、言い出しっぺの母が、そのぬいぐるみに「かわいそうだけど、今までありがとうね」と語りかけていたことを思い出しました。
当時は、まるで私が非情な悪人にされたようで「やめてw」と思ったのですが、このお話を読んで、母の行動こそ正しかったのかなと思いました。
顔の消えてしまった古いピエロは、決して憐れな姿なのではなく、お役目をまっとうした姿なのかもしれないですね。
じんわり心があたたまるお話をありがとうございました。
作者からの返信
焼おにぎりさん
山羊座賞おめでとうございます♡
咲穂視点なら違う手触りになったところを、なっつー視点で書かれてあるのがいいです♡
咲穂は文学をやる子、なっつーは迷うことなくテンプレのラノベで人気者になるタイプという感じがしました。「こういう子いるいる」な身近な感じと、「あるある」な学生時代をざくざくと切り取り、ちょうどいい引っかかりと持ち重りのある掌編におさめられていて、見事でした。
なっつーはママになっても、デリカシーのないうるさ型として一部からは嫌われ、咲穂も「何を考えているか分からない人」として一部からは敬遠されていく未来まで見えちゃうという。
お母さんの目からは、「幼い娘とぬいぐるみ」がセットの記憶になっているでしょうから、ぬいぐるみを捨てるのは娘が成長して大人になった証でもあるし、捨てるのはしのびない気持ちもあるんだろうなー……。第一、そのぬいぐるみはほとんど親が買ったものですしね(笑)
地味な作品ですがお読み下さいましてありがとうございます♡
こんにちは!
読みながら、お題ありの作品であることを忘れました。もちろん、それはお題に沿っていないという意味ではなく、お題に寄せようとする無理から生じる歪みが少しも感じられないということで、それは尋常でない筆力のなせるわざなんでしょうね。
モノはモノ。大切なことは物理的な存在そのものではなく、それを記憶する自分の心のありようだと。そう選択した「わたし」の合理的な性格にも共感できますが、物理的な体を失った人形のかつての居場所を直視できない非合理的で情緒的な一面にも好感がもてます。
素敵な物語をありがとうございました!
作者からの返信
志乃亜サクさん
こんにちは!
千織さんの企画から、お立ち寄りありがとうございます♪
志乃亜サクさんの作品は「テスト」を素直に学校のテストと捉えた上で、いかに面白くするかという脚色をそのまんま「面白い」で貫いていて、本当に大好きです。
お題を前面に出したパターンですよね。
バカ男子がわちゃわちゃしてるやつ、映画なら「帝一の國」とか好きなんですよ~。
わたしは何のしばりもなく書くと、意味が分からない……と云われるような作品を得意としておりまして(得意とはいえないかも)、企画に参加する時には意識的に分かりやすく頑張って書いております(;^ω^)
企画主の千織さんも云っておられますが、それぞれに持ち味のあるいい作品が多すぎて、一つ選ぶのは大変でしょうね~。
2千文字程度ということもあり、多くの人に読んでもらえて嬉しいです。
ありがとうございました♪
企画にご参加ありがとうございました。
出だしから引き込み、読み手の気持ちを揺さぶる仕掛けがすごい。私、一読目は普通に読んで、二読目でどうしてそう思ったかを考えながら読んでます。一読目は、「これで2000字かよ」と思いました。
ピエロの美しさと、そこからの日常の対比。計算と筆力が尽くされていると感じました。
内容については、別れに対する自分の整理という風に捉えましたが、捨てられないとは何か、
捨てるとは何か、というテーマについて、ひいては死ぬこと生きることにまで繋がるように感じました。
さすが、の一言です。ありがとうございました✨
作者からの返信
千織さん
こんにちは✨
面白そうなのでずっと気になっていた企画なのですが、純文の中でも王道の純文の猛者が集っているのではなかろうかと、ビビッてました。
参加作品は、昨日、全て読んだのですが、書きなれた方がとても多いような気がしました。
そうですね、たった二千文字なのに、みなさん見事に世界観を作り上げていらっしゃいますよね。
お題の「テスト」をそのまま素直に学校のテストとして扱うもよし、SFにするもよし、もっとぼんやりしたものにするもよ……わたしですね💦
志乃亜サクさんの「テスト」が気に入ってしまって、「なにwこのバカ男子カオスww」と大ウケしておりますw 高橋留美子の作品みたいで。
自分の作品よりも他の方の作品を読むのがとっても楽しかったです。
細やかな添削も、ありがとうございました💮
編集済
お題から生まれたとは思えない程、ピエロの人形にまつわる描写が繊細で、これまでの人生への郷愁が胸に迫るようでした。
お題の『テスト』は心理試験の部分にかかっているのかもしれませんが、ピエロ人形の出来事も「わたし」が「何かを乗り越え」るための試練だったのかなあ、なんて思いました。本来きたるべき時より早い別れだったからこそ、思い出や愛着が記憶に紐づいていると実感できた一方で、それでも棚から目を逸らしてしまう「わたし」の心の揺れ動きが印象的でした。
特別なものができることで主人公に変化が訪れるのは物語あるあるですが、特別だったものが普通(不要)になることで、主人公の成長を描いているのが面白かったです!
作者からの返信
栄三五さん
ありがとうございます。
わりと日常的にあるあるな出来事ではなかろうかと。
あ、あれ、どうなったかな? と探してみてもとっくに捨てていたとか、捨ててしまった想い出の品をいつまでも惜しんでみたりとか。
お題が「テスト」なので、素直に学校の試験をメインに据えるか、またはSFの方が強いのではないか? と思いました。
千織さんの企画に集まった作品、面白いものばかりなので、ぜひ一読を。
「メルとハナ」公募に出されるのですね。それは素晴らしい。わたしと鐘古さんと、あとおひとりくらいしか読んでなかったので、こんなにいい作品なのにもったいない💦 と声を大にして、せめて企画主さまだけには読んでもらいたかったのですが、取り下げになっていた理由がそれで分かりました。「アアモンドパイロット」の方も公募に向いてると思います!
この様な失敗が無くても、長年……十年単位で使っていたモノとの別れはクるものがあるますね
自分も幼稚園位から家にあったボロボロのボルテスV一号機(ボルトクルーザー)を今のアパートに引っ越す際に捨てますたが、今も五体合体時の姿を思い浮かべますね
なのでフィリピンで人気があり、最近TVドラマ迄作られたというのが何か複雑な気持ちに^p^
今もうちにあるので上記ボルテス~と同じ位古い物は、今も読む事が出来る図鑑とか位です
話戻して、絵心があって修復も出来たんだけど其の侭……というのも解かります
子供の時の落書きならまだしも、大人になってからボロボロになった衣服を縫ったり、洗濯等してしまうと、やっぱ其処で思い出がリセットされちゃうんですよねー
おもちゃとかはいっそ捨てたり売ったりした方が最終的には自分も、買った人も幸せになるかもですな
作者からの返信
あるにくまんさん
本家とフィリピンの実写版、見比べてみました。
フィリピン版、みなぎるリスペクト魂ですね! これは素晴らしい。
お金も時間もそうとうかけて、「ぼくたちの大好きなあの原作どおりに」という熱意を感じます。
画面映えの関係なのか、男も女も角の生えた敵陣も、美形ばっかり揃えていて目の保養!
そうなんですね、フィリピンでは「ボルテスV」なんですね。
中国では、中国のおじさんたちがみんな水木兄貴のマジンガーZを歌えるので、一緒にカラオケが出来るとはきいたことがあるのですが。
(「マジンガーZ」のとこだけハモる)
そして本家ボルテスVは、司令部かどっかにいるスーツを着たおじさんも、白衣のご老人も、素手で闘えるほどにドえらい強くて、笑わせてもらいましたw
武闘派の事務方と研究者。
えっとなんだろ、この方々も元は現役戦士……?
本丸に乗り込んだら、そのへんにいるデスクワークの地味なおじさんがプロテクターもないまま反撃してくるんですから敵の皆さんもびっくりですよね。
そしてわたしにはボルテスVと、コンバトラーV(2012版をみた)の区別がつかないです♡
混ぜ混ぜされたら、分別できないです♡
子どもの頃のおもちゃってちょっと成長すると、もう要らないってなってごそっと捨てるじゃないですか。
大人になってからのほうが捨てられないんですよね……。
そして捨てちゃったおもちゃも、憶えているものがたくさんありますよね。
たとえ同じものをメルカリで手に入れたとしても、同じものではないんですよね~……。
朝吹さんのこの心理作品はとても完成度が高く、「誰もが経験する別れの試練」を見事に描いておられます。
この小説には「テスト」というお題と(字数制限)があり、主人公は「愛着の対象を、手放しても大丈夫か」を自分に課します。
ここからは自分のことになって恐縮なのですが、私はこの短編を読んで、ものすごく驚きました。というのは、私が(創作中の小説で)今日、同じようなことを考えていたからです。ここに、ある少年の満面の笑顔の写真があります。その日は彼が人生で一番幸せだった日です。
でも、その少年はこの世にはもうおらず、その写真だけが残っていて、それを見るたびに、(兄的な存在の)主人公は苦しみます。
その時、主人公の友達に、「(写真を)見なくてもいいのではないかしら。記憶という形で心にとめておけば」と言わせようかしら。その筋はまずいかしら、と(私が)考えていたからです。心の残った記憶は「この先、いつでも必要な時に」、もっとやさしい形で残りますから。私がその場面を書きいれるかどうかはまだ未定です。
作者からの返信
九月ソナタさん
そうなんです字数制限があるのです💦
それもけっこうタイトな。でも小品には十分な。
書き始めたと思ったらもう終わってる、そんな字数です。
想い出の品ってうっかり捨てちゃうと後から後悔するし、かといって持っていても、それを毎日見てるわけでもなし、自分が死んだら破棄されるしで、けっこう扱いに困りますよね。
創作中の小説とは、エドガーと流音と、美少年のことでしょうか?
物品がなくても、心の中に面影があるのであれば、なくてもいいのかもしれません。
でもやっぱりあったほうが、よすがとして、慰めになるのかもしれません。
難しいですよね、その場面。
見るたびに苦しむのであっても、その苦しみには愛があるのでしょうから、好きなだけ苦しむのもいいかもしれません。
見なくても、案外平気であることを、試してみてもいいのかもしれません。
友だちは何と云ってますか?
この先、いつでも必要な時に、と云っていたら、そう書いて下さい。
編集済
今まで汚れていても気にせず放置していたのがこのタイミングで洗おうと思ったこと自体が人形との別れの時期が来ていたのかもしれないですね
この先も普段は忘れていてふとした瞬間に思い出すのかもしれません
生ゴミのゴミと一緒に捨ててしまえる潔さ、人形もいろいろな役目を終えたんだろうなと思いつつ、私は供養とかに出さないと捨てれないだろうなと思いました
山羊座賞の発表楽しみですね✨
作者からの返信
凛花さん
あ、そうか、人形供養ってありますよね。
京都の人形供養のお寺に行ったことがあるのですが、ひぃぃというほど人形がありました。
どのお人形さんも、一度は、少女の胸に抱かれて一緒に寝たりしたんでしょうね。
人形を棄てるのって確かに怖いというか、そのままは何となくはばかられるというのに、生ごみと一緒にぽいした主人公、ヤバかったかもしれません(笑)
いけない、何よりも重視される読者の共感が呼べない……!(笑)
子どもの頃に持っていた人形、引越しの度にかなりいなくなりましたが、まだ数点持ってるんです。
大人になってからのほうが捨てられなくなりますよね。
時々、家の中のものを見廻して、わたしが死んだらこれ全てゴミなんだな……と遠い目になることがあります。
レビューもありがとうございました✨
もはやピエロではなくなった人形。捨ててしまうか、自分なりに修正して手元に置いておくか。自身への心理テストが妙技でした。
執着心というほどでもなく、それでいて長く傍にあったものが無くなる喪失感というか、そんな揺れ動く心理描写が見えるお話ですね。恋結びのお地蔵さんと同じくらいしっかりと記憶に残っているのだから、この結末はこれで正しいのかもしれません。物で溢れかえっても困りますしね💦
後々、失ったことを後悔したとしても 手にしたことは後悔しないでしょう。
作者からの返信
中里朔さん
ありがとうございます~。
テストってきくと、ヴァレリーの「テスト氏」が浮かぶのですが内容はびっくりするほど頭に残ってません。
まずは解答用紙のあるあの学校のテスト、そこからそのまま素直に書くのか、いやいやテストにもいろいろあるでしょうと、テストはテストでも学校のテストからは離れていくか、さらにひねっていくのか。
素直に学校のテストにしておいて、「一房の葡萄」的な小品を作ると一番よさそう?
2千文字+-200文字なので、そんなに大風呂敷は広げられないけれど、世界観は十分に出せるのですよね。
さらには、お題を前に出すか、陰におくか、読んだ時に誤解なくそれを感じるか、匂わせ程度なのか、ぶっとんだ解釈なのか、素朴な処理なのか、講師さんの好みによって全然違ってしまいそうですよね(;^ω^)
編集済
なんだかやたらと琴線に触れるお話で、胸の奥がぎゅっとなりました。心を鬼にして捨てる、というより、一晩かけて思い悩むことがピエロへの供養にも見えて。いつか本棚に何気なく目を向けられるときが来るのだろうなと。
苦さのあとでひとつ乗り越えるような余韻が残りました。
追記
人に関して書いた部分は御作品から遠ざかったコメントだったので消しておきました。
作者からの返信
柊圭介さん
こんにちは!
なにがあったか存じ上げませんが、人間関係は腹六分。過剰な期待も依存もしない。かといって冷たいわけでもない。
この塩梅が分からない人は、いずれは誰からも疎まれて、破綻していくしかないのでしょう。
気の合った人と適切な距離をたもちながら仲良くできるポイントで仲良くするということが稀に全くできないという人がいて、多分説明したところで理解はしてくれません。
また、好意や感謝や反応を引き出すために、しきりに恩を着せる、これはO・ヘンリー「魔女のパン」のような事態にしかなりませんよね。
だって欲しいのは自分への見返りであって、相手のことはまるで考えていないのですから。
「魔女のパン」
まるでとっても同情心あふれる女性のように見えていますが……。
このタイトルがすでに語るとおりです。
そして考えの足りない愚かな夢をみたマーサを断る人間のほうが極めて冷酷に、反感をもって映るのも、人の心というものなのかもしれません。
この掌篇は、後に、企画主催者の千織さんの添削がはいるのです♪
なのであんまり内容については語れないのです♪
「自分ではここ」と思っている箇所と、千織さんの「ここは、こうした方がいい」が合致するのか、それとも違うのか、違っていてもよし、一致していてもよしです。
書いていて「国語の読解問題っぽい」と自分ではおもっていました♪
ありがとうございました。
編集済
への応援コメント
思い出がありながらも、いつの間にか埃をかぶっていたものって、こんな風にして去ってゆくものなんだろうな……という気がして、心に迫るお話でした。
作者からの返信
武江成緒さん
ありがとうございます。
今もっている物も、死ねば全て粗大ごみになるんですよね。たまに芸能人が家仕舞いして、豪華な家具や先輩からの頂き物や貴重品、トロフィーの類をすべて棄てて空っぽの小さな部屋に引っ越したりしていますが、或る日とつぜん、その境地になるんでしょうね~(;´∀`)