始まり

 時は少し流れ、2年生になって3ヶ月程。 

 チャイムが鳴り響く。号令と共にみんなが席から立つ。現時刻は12:20。ちょうど4限が終わってお昼休憩に入るところだ。私が教科書をしまっていると、こちらにトコトコと歩いてくる人影があった。

「陽依〜、お昼一緒に食べない?」

「あ、いいよ!いつもの中庭でいい?」

「もちろん!早く行こ!」

 珠月がお昼に誘ってくれた。教科書をしまい終わって、弁当を取る。

「お待たせ、行こっか」

「うん!行こ!」

 そう言い2人で廊下を歩いていく。いつも通り談笑しながら中庭に向かう。

「そういえば…この前の定期テストどうだった?」

 3週間程前に定期テストがあり、ちょうど答案が返ってきたばかりなのだ。

「ん〜?微妙かな?珠月は?」

 絶対すごい点数取っているだろう、と思いながら聞く。ちなみに珠月は学年上位にいつも入ってる。つまり頭がいい。

「私?私はね──」

 ここまで言うと珠月がクスリと笑った。

「内緒!」

「ええー、聞いといてそれはずるくない?」

 私は笑いながらそう言う。

「えー、そうかな〜?」

 2人で笑い合いながら中庭に行く。

 お弁当を食べて雑談をしながら、笑い合いながらいつものように過ごしていた。この時までは──。

 突然、校門の方から鋭い悲鳴が聞こえた。何事かと思い珠月と顔を見合わせていると…。耳をつんざくようなけたたましい鳴き声が聞こえた。

「魔獣…?」

 ボソリと珠月がつぶやく。普通の魔獣より凄まじく荒れ狂っているように聞こえるが…。私は震えた声で

「ど、どうしよう…」

 と口に出す。すると珠月が早口に

「とにかく校舎に入ろう。きっと先生達が何かしらの指示を出してくれるはずだから──」

 そこから先の声は聞こえなかった。背後から魔獣のけたたましい鳴き声が聞こえたからだ。急いで振り返ると…。巨大な狼のような魔獣がこちらに牙を向けていた。

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