1-3話

その後、自室で着替えをすませ、軽くメイクをして家を出た暁菜は今日の最初の仕事である、バラエティ番組のロケをするため、集合場所に向かっていた。今日のロケは、芸能人が街をブラブラしながら、その街の人と交流するという企画らしい。かなり最近始まったばかりの企画で、今回で5回目となる。この番組は、週に2回放送されるので、先月始まったばかりということになる。

「いってきまーす!」まだ仕事に出かけていない母と姉に声をかけて、家の掃除や家事などをしてくれている家政婦さんに挨拶をして、車に乗り込んだ。アイドルとして活動している間は、暁菜は甘え上手な女の子、ラヴになる。車を運転してくれている、運転手の菅原にも、仕事場に向かう車の中では、暁菜のことをラヴと呼ぶようにといっていた。今日のロケは、現地集合なので、ロケ地まで自分でいかなくてはならない。現地でオープニングを撮影したら、今話題のテーマパークに行ってロケをすると聞いている。車の中で、スケジュールを確認していると、菅原から

「ラヴ様、現地に到着いたしました。ここからは、ご自分でいかれますか?」

と声をかけられる。その声に、暁菜は「自分で行くわ。」を返事をして車を出た。

「いってらっしゃいませ。」と頭を下げた菅原に「ありがとう」といって企画のスタッフさんが集まっているエリアに向かった。




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スタッフさんのいた場所につくと、暁菜はラヴになる。

「皆さんおはようございまーす!ラヴ、到着しました〜!」

そう言って現場に入ったラヴはそこに「ラヴ・ラビル」のもう一人のメンバー、ラビルがいるのに気がついて、頬を緩めた。

「おはよう、ラビちゃん。」

「あ、おはよ、ラヴ。」

挨拶を済ませた二人、他愛のない話を始める。ロケが始まるまでは、基本的にラヴたちができることはないので、今日の企画について話したり、雑談をしたりして時間を潰すのだ。

「この間話してた、ドルプリのことなんだけど…」

とラヴが話を繰り出すと、ラビルはすかさず、

「私達が歌う曲決まったらしいよ。デビューのときに作ってもらったオリ曲と先輩のquartzになったらしいよ。」

そう言って、スマホでquartzを流しだすラビル。このquartzという曲は、ラヴの姉である、レイラの歌っている曲である。モデルの仕事の前に一度だけした歌手としての仕事で作られたオリ曲なのだが、これが、最近になってヒットしだしているのだ。

quartzお姉ちゃんの曲か、いい曲だけど、発音難しいんだよね。カラオケで歌ったとき、90点とれたことないなあ、あの曲。」

「いつもカラオケで歌う曲は何点なの?」

「うーん、曲によっても変わるけど、いつも歌ってて、歌い慣れてる曲だったら、95点くらいで、慣れてない曲だったら85点くらいかなあ。」

「そっか、じゃあおんなじくらいだね。私もいつもそんな感じかな。あ、でもこの前一回だけ100点取れたことある!」

「え、すごい!100点は取ったことないなあ。」

そんな話をしていると、スタッフが近づいてきて、

「ラヴ・ラビルのお二人は、オープニング取るので、そろそろスタンバイしてください。」と声をかけられた。

「「わかりました!」」と返事をした二人は、事前に台本で決められていた位置に立つと、スタッフの合図に合わせて、オープニングの撮影を始めた。

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