パイパイファンタジー外伝「幻臭・縄文・超越の試練」

パイパイ星人

第1話 パイパイ仙人との出会い 〜The Jealous Sage of Breasts〜

冷たい山風の中を、五人の旅人が歩いていた。


仲間を守るため剣を振るう青年――勇者パイタロウ。


おだやかで、人の心を包みこむような巨乳を持つ――僧侶ミルク。


知恵と静けさの中に、母のような愛と品のある巨乳を宿す美しい女性――魔法使いマローネ。


勝ち気で不器用だが、照れくさいほど仲間思いな青年――盗賊チェスト。


強く優しく、笑うたびに巨乳がぶるんぶるん揺れる、みんなの太陽のような存在――拳聖グラマラス。


五人は世界を脅かす皇帝フラッティアを討つため、最後の峠を越えようとしていた。


「ねぇパイタロウ♡あと少しね♡」

ミルクがパイタロウの腕に胸を押し当てながら微笑む。


「気を抜くな! フラッティアの力は今までの敵とは違う」

パイタロウが答える。


マローネが地図を広げて首をかしげた。

「おかしいわ、この道、記録にない」


「怪しいな。こういうとき、だいたい変なやつが出る」

チェストがつぶやく。


「変なのはあんたでしょ!」

ミルクがすかさず言い返す。


「ほら始まった」

グラマラスが笑いながら二人を引き離した。


そのとき、霧の奥から声が響いた。


「止まれい、巨乳ども!いや、勇者ども!」


霧が割れ、一人の老人が現れた。白いひげ、胸毛も豊かで、目だけは潤んでいる。


「この先は聖域じゃ。通りたければ…おっぱいを見せよ」


「は?」一行の動きが止まる。


「ワシは伝説のパイパイ仙人じゃ!」老人は胸を張った。


チェストがあきれ声を上げる。

「名前からして怪しい!」


マローネがため息をつく。

「説明をお願いします」


仙人は杖を突き、パイタロウをじろりと見た。


「勇者パイタロウよ、三人もの巨乳美女を従えておるとは……なんと羨ましいおっぱい人生じゃ! ワシは嫉妬で胸がはちきれそうじゃ!」


「え、俺!?」

パイタロウがたじろぐ。


ミルクが慌てて前に出た。

「仙人さま、誤解です! 私たちは仲間です!」


「黙れ! ワシは修行僧! 欲を捨てたはずなのに……この巨乳オーラに心が乱れる!」


チェストがぼそっと言う。

「どんな修行してんだ……」


グラマラスが笑いをこらえながら言った。

「つまり、案内したくないのね?」


「その通りじゃ!」

仙人は叫んだ。


「ワシの嫉妬が暴走しそうで、導けぬ!」


パイタロウは前へ出て言った。

「でも、俺たちは進まなきゃいけない。フラッティアを倒すために!」


仙人は目を閉じ、しばらく黙した。

「……今のままでは勝てぬ。力はあるが、胸の奥の“心のおっぱい”がまだ育っておらん。おっぱいとは愛、命を守る器。器が小さければ、力は暴れるだけじゃ」


ミルクがうなずいた。

「たしかに、優しさも力のうちですね」


「その通りじゃ」

仙人は答えた。

「試練の館で己の心を鍛えよ。おっぱいのように柔らかく、そして強くなるのじゃ」


マローネが静かに言う。

「試練を受ける覚悟はできています」


チェストが鼻を鳴らす。

「やるしかねぇな」


グラマラスが笑った。

「母の心で拳を出すってやつね」


仙人は咳払いをした。

「ワシは来たる勇者を案内せねばならん……だが、そなたらを見ているとまた嫉妬が湧く。ワシの修行心が揺らぐ!」


そう言って天を仰ぐと、胸の前で手を組み、自分に言い聞かせるように呟いた。


(導くのがワシの務め……なのに、この胸のざわめきはなんじゃ……。まるで昔、母に抱かれたようなぬくもり……)


グラマラスがふっと笑い、ミルクとマローネに顔を寄せた。

「いい考えがある」


三人はそっと仙人の腕を取り、「こっちへ」と言って岩陰の奥へと連れて行った。


しばらくして岩陰から戻ってきた仙人の目は、鮮やかなハート型に光っていた。

「……案内しよう、試練の館へ!」


チェストがため息をつく。

「なんかすっきりしてるな」


パイタロウは苦笑した。

「まぁ、良かったんじゃないかな」


ミルクが笑う。

「心が温かくなったね♡」


マローネが微笑む。

「母の愛って、おっぱいのように包み込むものなのね」


グラマラスが豪快に笑う。

「よっしゃ、胸を張って行こう!」


仙人は杖を掲げた。

「ふぉっふぉっ、胸とは心、おっぱいとは命の証! 試練の館がそなたらを待っておる!」


パイタロウは仲間を見回し、剣を握った。

「行こう。俺たちの胸のすべてで、未来を切り開くんだ!」


霧が晴れ、遠くに“試練の館”が姿を現した。


その門は神々しく光り、一行の胸の高鳴りいや、“おっぱいの鼓動”に呼応していた。


風が静かに吹き抜け、霧の中で仙人の声がやさしく響いた。

「忘れるでない……胸とは絆、絆こそが世界を救うおっぱいの力じゃ……」


そして五人は、光に包まれながら歩き出した。


その背中には、確かに“心のおっぱい”が温かく宿っていた。


霧の向こうに見えた館は、まるで巨大な乳房のように丸く優雅な屋根を持っていた。


ミルクが感嘆の声を上げる。

「あれが……試練の館……」


マローネが目を細める。

「胸の奥が、呼ばれている気がするわ」



パイタロウは剣を掲げた。

「俺たちの心が、真に一つになる場所だ」


チェストがニヤリと笑う。

「上等じゃねぇか、行こうぜ!」


グラマラスが拳を突き上げた。

「おっぱいも、魂も、全力で燃やす!」


パイタロウ一行の胸が力強く震えた。

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