Gift‐麗し姫からの贈り物‐⑤


 ローゼマリーを喰らったドラゴンは満足そうに笑う。


「うむ、流石は麗し姫……とても美味な肉であった。それにしてもここにいるのももう飽いたな。どれ、国を滅亡させて次の地へと向かうか」


 そう決めたドラゴンは巣穴の出口に向かって歩き始めたのだが、体に異変が起きる。


「うっ! 何だ、体がまるで炎の中にいるかのように熱い! 苦しい、呼吸が上手く出来ない! 体が痺れて、動かない!!」


 その場に倒れ込んだドラゴンは自分の身に何が起こっているのかが分からない。


「苦しい、苦しいっ!! あぁ、このままでは死んでしまう……誰か、誰か助けてくれっ!!」


 助けを求めるその声に応える者などひとりもいない。


「ううっ、ぐっ……ああっ!! 分かった、分かったぞ!! これはかっ!! 麗し姫め、我を謀りおったな!! うぉおぉおぉおぉ!!」


 ドラゴンは炎を吹き出しながら咆哮すると、やがて息絶えて動かなくなった。

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