第2話 夢幻回転
2019/08/03 7:03
滝「やっぱり、思い出せない…」
やはりあれは昨日の夜。
風呂の中で眠ってしまった結果、見た夢なのだろうか。
ーユめー
ーではないー
「違う」
背筋が凍る。
会社の椅子を勢いよく腰で突飛ばす。
会社員の視線を集めてしまい少し恥じる。だが、誰かが居た。確実にだ。
滝「俺、疲れてんのか…?」
耳元で確かに囁かれた。
「違う」と。
微かに記憶として保存されているアルシャードという言葉が何なのか突き止めるために脳をフル回転させる。
そのせいか同時に心臓の動悸も加速していく。
その心臓の鼓動と共に記憶のネジが少し回される気がした。
記憶として出てきたものは、金髪猫耳女、銀髪の女、黒髪の少女。
全員の顔が黒く塗りつぶされた状態で出てくる。
滝「んッでだよ!!!」
後一歩というところで出てこないため、苛立ちを感じ小さな声で叫んでしまう。
「セシル」
滝「…セシル…?」
どこからが聞こえたようで思い出したようにパッと頭の中に文字が浮かぶ。
この名前は俺の名前だと、確信できる何かがあった。
16:57
少し遅めのランチとなった。
だが、晩飯を抜こうと思っていたため腹持ちを良くするという面ではちょうど良かった。
食べるものは家の近くにあるサイ○リヤのエスカルゴ、手羽先となった。
22:16
やっと風呂に入れる。
膝も伸ばせない小さな風呂だが体を癒してくれる。
体を洗い風呂に浸かる。
身震いするほど心地が良い。
滝「眠い…」
また、目の前に霧が掛かる。
風呂で寝るのは危険だが、今は気持ちに身を任せたかった。
ーせしるー
ーセシル!ー
イルザ「タキ!」
美人が視界に入り込む。
タキ「…ッハッ…」
イルザ「よし、目が覚めたか。
今のお前はセシルじゃないんだな?」
何も言わなかったが理解してくれたようだ。
タキ「はい…今何が?」
ここは暗く周りには石しか見えない。
洞窟なのか?
イルザ「任務をやっている途中、龍と遭遇したんだ。
それを見たタキが…セシルが急に気を失った…今は日籠もりの時期なのに何故…」
龍…だと?
神話や昔話などに出てくるようなものがこの世界には普通に実在するのか。
イルザ「今、外でアノが応戦している。タキ。戦い方は分からないな?」
タキ「わからないです」
俺はごく一般的な社員だったんだ戦闘経験なんぞ部活でしていた柔道くらいだ。
一応、2段は取ったが。
イルザ「私はアノに加勢しに行くがタキはユイを守っておいてくれ…今は本当の兄じゃなくても滝として」
イルザさんが右手に青い光を宿すとそこから短剣らしきものが出てきた。
それを俺に渡す。
タキ「はい!」
イルザさんと急ぎ洞窟を出る。
足音の響きが薄くなって来た。
イルザ「アノ!」
アノ「早くしてくれ…!」
竜の逆転サマーソルトを肩で受け止めている。
右腕が折れている。
イルザ「リブート!」
ハンマーを呼び出し尻尾を跳ね除ける。
ユイ「ドゥースクリロ(硬化)!」
対象に手をかざし詠唱をする。
ユイ「ロイ・アルギ(流加)!」
何が起きているか全く分からない。
アノ「おらぁ!!」
アノが左手で龍の足を殴り体制を崩す。
大きな音をたて倒れていく龍に畳み掛けていくようにイルザが大剣を呼び出す。
イルザ「はぁああ!!」
龍が青いビームにも似たような炎をイルザに向け吐き出す。
アノ「イルザ!」
イルザ「来るな!」
大剣を横に向けガードをしブレスを耐えたが大剣が溶け使い物にならなくなっている。
新たに剣を呼びだし切りかかるも竜は体制を直しきっていた。
アノ「…やばい!セシル!」
イルザさんの方へと避難していると俺の方へと尾が向かっていた。
アノは俺に体当たりをする。
アノ「自分の身くらい…自分で守れ…」
タキ「アノー!!」
アノの胸に突き刺さる尾がどす黒く血塗られていた。
やっぱりここは…異世界なんだな…
今まで平和だったせいかこの世界では普通にやって行けると何処か安心していた。だがここは人が人に殺し殺されるだけではない。ここは弱肉強食なんだ。
タキ「ぁあああああ!!!!」
ユイ「お兄ちゃん!早くこっちに来て!」
恐怖で膝が竦む俺と肩を組み走る。
あぁ、足でまといになってしまった。
タキ「すまない…すまない…こんなつもりじゃなかったんだ…」
ユイ「しっかりしてよ…」
俺のせいで死んだ。
俺のせいで死んだんだ。
なら殺したと同じじゃないか。
俺が…俺が…殺したんだ。
俺が殺した。俺が殺した。俺が殺した俺が殺した。俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した
タキ「俺が!!…殺したんだ…」
ユイ「イルザさん!」
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