死して尚最強
オレンジペン✒
プロローグ
少し昔の話をしよう。
今から三十二年前、とある事が原因で一つの都市伝説が世界中のマニアの間で広まった。とある事というのは、海外の中でも比較的ポピュラーな国の外れにある地域一帯が一夜にして崩壊したという出来事だ。都市伝説の内容はその地域崩壊の原因が異世界からの侵略なのでは? というもの。何でも異世界とこの世界を繋ぐ門が現れて、門の中から出てきたモンスターたちが辺り一帯を蹂躙したらしい。
一応、その国の政府は大規模な自然災害が原因だと発表しているが、それにしても不可解な点が多いとかなんとか。まあ、どっちが正しいかなんてそれは勿論政府の方だろう。
もっとも、「政府の発言は嘘である」と思うならそれまで。
嘘だろうが真実だろうが、提示された答えがそれなら、我々は暗黙の了解的なそれで、「なるほど」と首を縦に振るしかない。例えその答えに疑問が残ろうとも。
しかし一定数、首を縦に振れない者がいる。そういった者たちが集まり、都市伝説や噂話というのは流れるのだろう。
とまあ、これが少し昔の三十二年前までの話。
ここからがその先である二日前の話だ。
「突如開始された会見にて、日本政府、並びに世界各国は一斉に、地球とは別の世界、言わば異世界が存在する事を認めました。また政府は今後訪れるであろう異世界からの侵略に対する防衛案として――」
「………は?」
まだ眠気の残る朝食の時間。カラン、という少し乾いた音で、驚きで飛びかけていた意識を取り戻した。僕は右手から箸が落ちる事に気付かない程、鈍器で脳を直接殴られたような感覚に陥っていた。
どうやらあの噂話は本当のようだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます