第19話 いざ、鎌倉へ!
鎌倉か
私は色々思い出していた。
神奈川出身で、小学生まで茅ヶ崎に住んでいたので鎌倉はそう遠くない
家族とも行ったし、学校の遠足でも行った。
そういえば、小学生のとき、江の島へよく友だちと行ったなぁ。
でも、北鎌倉方面はさっぱり。
「ねぇねぇ、加奈子。私は鎌倉も江の島も行ったことないんだけど、
あんまり山のイメージないんだよね。
山ってどのくらいの高さなのかな?」
紀代が言うのも無理はない。
確かに私も山に登った記憶はなかった。
街には階段はいくらでもあるし、江ノ電に乗ってると鎌倉って
低山が意外と多いなとは思ったけど、登山?のイメージはなかった。
そうだ、神社仏閣も調べておかなきゃ!
私は図書館へ紀代を誘い、歴史コーナーに行ってみる。
大学の図書室は昭和の匂いがする。
どこかカビ臭く、じめっとした空気が流れていた。
「ついこの間までの山岳部みたい(笑)」
私たちは笑った。
北鎌倉は鎌倉時代からの名刹古刹が多い。
建長寺や円覚寺などは有名だ。
そこから歩いていけば鶴岡八幡宮はそんなに遠くない。
足を延ばせば、もうすぐ海だ。
加奈子は思った。
地理感はなかったが、変な自信だけあった。
あ、でも海はないかな、今回は。
でも、江の島となると、北鎌倉駅から歩くとしたら、かなり距離がある。
途中から江ノ電に乗りたい気分だけど、どういうコースでゆくんだろ?
さっきまでの楽勝気分は消え、一抹の不安が残った。
色々調べてるうちに、次の講義が始まる時間。
私と紀代は別々の授業があり、ここで別れた。
紀代、何冊か借りて、あとで部室で会いましょう!
「うん、わかった!私は別件で行くところあるので、4時ごろ行くよ!」
うん、じゃぁね!
そういって、私は講義室のある部屋へと急ぐ。
私は、初めて自分で考えて行動を起こしているとという実感を得た。
「大学って、楽しいことを自分で考えて実行する所なんだ!」
やっぱり高校とは違う。クラスメイトに気を使わなくてもいいし、授業を抜け出して喫茶店に行っても担任もいないから誰も怒らない。自分さえしっかりしてれば、こんな自由な世界はない!
私は、茜から受けた刺激によって、自分をどんどん解放してゆく感じがたまらなかった。
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