TSする呪いを掛けられたので、原因となるダンジョンを防衛する
ゼフィガルド
1~5日目:恐怖! TSさせて来る奴とダンジョン!
「お前は呪われてしまった!!」
部屋内に立ち込めた煙が消えたかと思えば、現れたのはヤギ頭に翼を生やしたバフォメット的な悪魔が出現していた。両腕を組み、俺を威圧する様にして見降ろしている。呼吸を整えて問うた。
「俺に一体どんな呪いを?」
「期日までに特定のダンジョンを攻略できなければ、一生そのままでいて貰う。自分の姿を見て恐れ戦くが良い!」
恐怖を煽る様な抑揚の付け方と声量が正に悪魔めいている。一体、俺に何が起こってしまったのかと、部屋内にある鏡を見た。
浅黒くデキモノやらシミやらで小汚かった顔は真っ白卵肌につるつるのツヤツヤだ。ガサガサだった手足もツヤツヤ、脛毛の類も一切生えていない。
そして、前傾姿勢になってしまう重りならぬお盛が胸に二つ。代りに股間の物が無くなっている。俺がブルブルと震えているのを見て、悪魔は高らかに笑う。
「どうだ! 元に戻りたいだろう?」
「き、期日までに。ダンジョンをクリアできなければ、このままなんだな?」
「そうだ。そして、お前がお前であったことは誰からも忘れられてしまう! そう! 家族や友人からもだ!」
あり得ない。正にコイツは悪魔だ。もしかしたら、昨日自棄になって飲み干したストゼロが見せてくれた悪夢か幻かもしれないが、テレビを付けたらくそつまんねーバラエティ番組がやっていた。ネットから拾って来た動画をワイプ画面で芸能人が囃し立てるアレだ。
「現実か……」
これが、もしも夢ならばもう少し面白くなっているハズだ。だったら、認めざるを得ない。加えて、質問を続ける。
「き、期限は?」
「1ヶ月だ。昨今のダンジョン攻略ペースから考えて余裕を持った日数だと言えるだろう。誰に助けを求めても構わん」
「1ヶ月だな。場所を教えてくれ」
すると、悪魔はご丁寧に場所を教えてくれた。教授方法が俺のスマホで画面を開いて案内するという現代チックな適応感を見せているのが気になったが。
アクセス的にも悪くない場所にあり、ダンジョンの仔細も出て来る。本当に初心者向けと言った具合で、攻略難度は高く無さそうだ。
「ククク。さぁ、呪いを解除して欲しくば……」
「分かった!!!! 全力で他の奴らを妨害してやるからな!!!!」
「…………え?」
悪魔が呆気に取られていた。そう、1ヶ月。1ヶ月ダンジョンを守り切れれば、俺は生まれ変わることができるのだ!
俺は探索一式道具を用意した後、悪魔の腕を引くと『待て! 姿を切り替える!』と言って、マスコットサイズになってくれた。なんて頼もしいんだ。そして、俺達は問題のダンジョンへと向かった。
――
世は大探索時代。世界各国に出現したダンジョンには未知のアーティファクトやら素材がゴロゴロしており、いずれも世界の科学技術を次のステージへと進めた。と言われている。
だが、もたらしたのは福音ばかりではない。中にはダンジョン内に眠っていた呪い、病気、モンスター、頭のおかしい奴らなど。社会を脅かす物も多々存在した。俺がネットで買ったオーブもその類だった。
「何故だ! 恐ろしくはないのか! 今までの足跡を消すのだぞ!」
「最高じゃないか。もう、現在の時点でテンションマックスだ。生まれ変わるにしてもこんな、美女になるだなんて」
TS化。と呼ばれる呪いは、各国でも多数情報が寄せられている。遺伝子的な物が変わったり、関係者から認識されなくなったり、あるいは詐欺に用いられたりと。人々から恐れられている。
だが、ワンチャンス。と期待する者も少なくはない。今までの自分を捨てたい者、あるいは履歴を書き換えたい者。戸籍から消えかねないリスクを負ってでもTS化は魅力的だった。
「考え直せ! 今まで、お前を大切にしていた者達もいただろう! その者達がどう思うかを考えろ!」
「悪魔の癖に講釈垂れてんじゃねーよ! オラッ! 着いたぞ!」
目的地にあったダンジョンの入り口があった。どうやら、出現したばかりで監視すら付いておらず、今なら無断で入ることも可能だった。
早速、ゲートを潜ると、中は異次元に繋がっており『ダンジョン』と呼称される空間に出ていた。この特殊空間にだけ漂う『マナ』と呼ばれる要素に反応した、俺の体が青色の光を放っていた。
「『スキル』も問題ない。よし、行ける」
「攻略するんだよな。まず、クリアさせない為にも内部をシッカリと観察しないと駄目だからな」
自分がダンジョンを出現させたくせに、さっさと攻略させたがるダンジョンクリエイターのクズとしか言いようがないスタンスの持ち主だが、ひとまず内部がどれほど難解か、トラップの質なども見ておく必要がある。
なので、マッピングをしつつ。1階を回っていると、ぽつぽつとモンスターの姿を見掛けた。馬の顔をした胴体から臀部と人間の足を生やした『ケンタウロス・ノ・アマッターノ』。蛇の頭をした胴体から同じ様に尻と足を生やした『ナーガ・ノ・アマッターノ』。魚の頭の形をした胴体からすらりと伸びた二本足が美しい『セイレーン・ノ・アマッターノ』。……一つ言いたいことがある。
「お前、もしかして在庫処理でダンジョン作った?」
「コイツらなら安く買えるから……」
「分かるよ。人気台を入れて貰う代わりに、同じメーカーの欲しくない台までホールに入れないといけないもんな」
ダンジョン業界みたいな所にも世知辛さはあるらしい。アマッターノ達は配信映えも良くない割にはウザいので、配信者と視聴者の両方から嫌われている奴らである。
ただ、よく見れば可愛い気もする……いや、ゴメンキモいわ。だが、これから共に戦う仲間になるかもしれないので、フレンドリーに挨拶しておくことにする。
「よっ! 元気か!」
「キェエエエエエエ!」
ケツを揺らしながら3匹が一斉に駆けて来た。多少の恐怖はあるが、あんまり強くないので用意した道具一式を取り出した。誰でも用意が容易い打撃武器、そう。金属バットである。
見た目は女性になってもSTRは男性の頃を参考にしているのか、振り回すのが難しいということはなく、3匹は吹っ飛ばされていた。キュウと伸びている所に悪いが、3匹を運んできて尻を叩いて目を覚ませる。
「目を覚ましたか。どっちが上かは分かっただろ?」
不承不承と言った具合で3匹が胴体と尻を揺らしていた。紛らわしい形をしているが『アマッターノ』達は頭と胴体が一緒になっている。ジャミラと言えば分かりやすいだろうか?
見て分かる通り、このモンスター達の役目は侵入者を排除することにある。彼らにやられたらダンジョン内で死亡する。と言うことが無いのが、妙に優しい話である。
何度でもチャレンジして欲しいということだとしたら、随分とサービス精神旺盛だとは思うが。これからの目的な物を考えれば、殺してくれた方が有難いが……いや、それもダメだ。
「(殺したら、とんでもない攻略者が来る可能性があるからな)」
「おい、お前。コイツらをどうするんだ」
「お前じゃない。俺の……私の名は『すず、子』だ。お前は?」
「バフォーで良い」
危うく本名を言いそうになった。相手は得体が知れないので、何をするか分かった物じゃない。にしても、コイツもテキトーだな。
「コイツらをどうするって。それはもちろん! 侵入者をしばき倒す精鋭に育て上げる! 冒険者のやる気を一番崩せるのは1階からだからな!」
「私はどうしてこんな奴に呪いを掛けてしまったんだ」
バフォーが己の所業を悔いていた。だが、俺は彼の肩を叩いた。お前の行いが誰かを救うことだってあるんだって。
「救った奴が他の奴の足元を掬って、ダンジョンに巣食うことになってもヘーキヘーキ!」
「もしかして、お前も前世で悪魔やっていたタイプ?」
「お前、悪魔の癖に前世なんて概念知っているのか」
西洋的な見た目をしているのに仏教とかにも詳しいんだろうか? さて、このアマッターノ達をどうやって強くしようか。
「バフォー。どうやったら、ランクを上げないままコイツらは強くなるんだ?」
「そんなこと言われてもな。内部に巣食うモンスターと罠の総評によってダンジョンランクとアイテムが変わるのは、お前も分かっているだろう?」
バフォーの言うことは、現代においては常識的なことである。
ダンジョンの攻略難易度に合わせて、内部の報酬やら何やらは高価で有用な物になっている。分かりやすくハイリスク&ハイリターンな世界だ。
「つまり、順当に強くするのは無理か……」
「無理ではないぞ。攻略されやすくはなるが。やるか? やるか??」
バフォーがソワソワとしている。アマッターノを強化したいのだろうが、そんなことをしたら高レベルな探索者が来るので避けたい。
「いや、止めておく。このダンジョンは初心者や駆け出しの探索者向けなんだろう。だから、アイテムもしょぼいし高ランクの冒険者が来ることはないとして」
「そうだな。だったら、手ごろな冒険者を無惨に返り討ちにしてはどうか?」
バフォーが提案するが、これは罠だ。低ランク向けのダンジョンに明らかな異分子があれば、調査の為にやはり高ランクの奴らが来る可能性がある。
つまり、俺はダンジョンのランクを上げないまま、1ヶ月守り抜く必要がある訳だ。難しいが、きっと不可能ではない。それに。
「(いざ、防衛に失敗して呪いが解かれたとしても。妨害をしていた謎の美少女『鈴子』は世に知られることは無い訳だ。元の俺はいなくなっても誰も気にしないだろう)」
「なぁ、本当にやるのか? 反社会的行為として咎められるんじゃないか? 今なら、引き返せるぞ? 普通に攻略しよう。な?」
「引率の先生みてーなこと言ってんじゃねーぞ! コラ!! 呪い掛けたなら責任持てよ!! 呪術師としてよ!」
「いや、私。悪魔……」
やった以上は責任を持って欲しい。バフォーとの話が長引き過ぎたせいでアマッターノが昼寝をしていた。ので、もう1回尻を叩いて起こすことにした。3匹とも不服そうな顔をしていた。
「お前らには、できることをして貰う」
戦闘技能など期待するべくもない。罠を確認したがいずれも生温い物ばかりで、引っ掛かったとしても食糧がどろどろになったり、吹っ飛ばされる位の物だ。もう少し高ランクなら特大地雷とかもあったりするのだが。
3匹とも何言ってんだこいつ。みたいな顔をしているが、やはり俺に対する敬意が足りないのだろう。単純な力関係だけで従えるほど、コイツらも甘くない。
「バフォー。ダンジョン内の罠リソースの配分変えられるか?」
「罠のランクは上げられないぞ?」
「大丈夫。警報装置に変えてくれ」
ダンジョン内のモンスター達を覚醒させ、侵入者にヘイトを向けさせる。と言うものだが、低ランクのダンジョンにあっても脅威にならない代物だ。高ランク帯なら地獄になるが。
「構わんが。それどうするつもりだ?」
「警報装置に使う音は俺が設定する。んで、ランク帯に影響が出ない範囲で俺もスキルを使う」
『スキル』。ダンジョン内に遍在する『マナ』を使って起こせる現象で種類から効果まで様々だ。単純なバフ・デバフから捜索系、果てはレアスキルと呼ばれる程特殊な物もある。
「お前のは、一応『レアスキル』の様だが」
「最低最悪のスキルだよ。だが、俺がダンジョンを守り切った暁には、これにもオサラバだ」
俺がどれだけ、このスキルに苦しめられたか、いや。むしろ、苦しめられたからこそスキルが生まれたかと言う方が正しいかもしれない。
ダンジョンが一般公開されるまでの間、時間は無い。それまでに俺は急ピッチで準備を進めた。目指せ1ヶ月防衛! そして、生まれ変われ! 俺!
「こんな奴始めて見た」
バフォーが呆れたような、諦めたような。そんな怪訝な様子で一応、俺の防衛作業を手伝ってくれた。
――
新たなダンジョンが発見された。ランク帯は初心者向けで、これから探索者になろうとしている者達にはピッタリな物だ。故に、早々にリストから消えてしまうことが多いのだが、どういう訳かコレは非常に長く残っていた。
「(きっと。何か訳アリなんだ!)」
『栗栖 エリコ』はダンジョン探索者を目指す極普通の女子高生であった。
職業ランキングにおいても人気だし、社会のしがらみとかもに囚われなくても良さそうだし、チヤホヤされそうだしと。世の中を嘗めまくっていた。
当然、親からは真っ当な職に就くように言われたが、彼女の根気強さに負けて条件を出した。1つでもクリアしたら、認めてやろうと。正に、その一つが回って来たのだ。しかも、早々に攻略されやすい『初心者向け』の物が!
「(それを私がクリアするんだ。そしたら、きっと。一目置かれて)」
噂になり、高ランク探索者ともお近づきになりと言う。都合の良い妄想を重ねていたが、夢の一歩であることには変わりない。受け付けのスタッフにスマホを見せて、照会を済ませた。予約していた者だと。
「栗栖エリコさんですね。ダンジョン攻略は始めてですか?」
「はい。講習の方は済ませております。道具も一式」
「確認が取れました。ダンジョン攻略中に起きた事故については管理者の責任には問われない物として……」
ダンジョン内でモンスターに殺されて死亡する。と言うことは一件も上がっていない。と言うのは奇妙な話だが、事実なのだから仕方がない。一説によると探索者達に攻略させ、何かを持って帰らせたがるのが目的なのだとか。
契約書にサインを済ませて、更衣室で装備に着替える。自分のスキルは単純なバフであるが、故に癖が無くて使いやすい。と、講習では聞いた。
「ダンジョンには様々な事態が待ち受けています。何が起きても、心を荒立てませんように。学んだことを思い出して下さい」
「はい!」
スタッフに笑顔で見送られ、エリコはゲートを潜った。
暫くは、一本道が続く標準的なダンジョンの構造だった。周囲、天井、床。あらゆる場面に警戒しながら進んだ先。それは突然襲って来た。
「え?」
頭に何かが落ちて来た。まさか、罠だろうか?
次々にボトボトボトと何かが落ちて来た。ヒッと悲鳴を上げ、目を凝らして正体を確認した時、悲鳴は絶叫に変わった。
「うんち!?」
ねっとり、臭い立つ放りだしたての茶色い物質。そう、ウンコである。まさか、今も肩や頭に当たっている物はと思い、手に取る。茶色かった。臭かった。トドメと言わんばかりに消化されていないコーンが混じっていた。
「いやぁああああああああああああああ!!!!!!!!!」
夢と希望を持って踏み入れたダンジョンで、エリコは正に糞まみれになっていた。パニックになりながら駆け抜ける。
ウキウキしながら購入したライトアーマーには臭いが染みついた。ブーツの底面は茶色に染まっていた。万が一の出会いを期待して整えた髪には最悪の出会いがあった。そんなことを考えているんだから足下に注意なんて行く訳がなく、カチリと装置を踏んだ。
「……え?」
瞬間、けたたましい程の音が鳴った。一般的に想像される様な警報の音ではない。ブチチチチチブリュリュリュブスッと、排泄を彷彿とさせる音が大音量で鳴り響いていた。恐ろしい程の不快感がこみ上げてくる。
「もうやだああああああああ!!!!!!!」
引き返したかった。だが、来た道には大量のウンコ。行く先にも大量のウンコと排泄音。ここで進むことを選んだエリコには案外、探索者としての素質はあったかもしれない。
「キャーッ!」
駆け抜けた先のフロアには、アマッターノシリーズとして括られる雑魚敵が湧いていた。普通、彼らは噛みついたり、体当たりして来るのだが、様子がおかしかった。一目散に近付いて来たかと思えば、口を開けて一斉に吐瀉物を吐き出して来た。
「オヴォエ!!」
ブーツやアーマーに掛けられるなら我慢できた。だけど、顔面は死ぬほどきつかった。しかも、食生活が良くないのか異臭、激臭が半端ない。溜まらずエリコも吐いた。すると、アマッターノ達が吐瀉物を舐め取って再び吐きかけた。
「死ねぇえええええええええ!」
狂乱状態に陥りながらエリコはソードを振り回した。バフが掛かっていたにしても、尋常じゃない程の膂力から繰り出されたので瞬く間にアマッターノ達は切り裂かれたのだが、ただでは終わらない。
「ィイイイイイイイイ!」
真っ二つになる寸前。体内にあった何かが破裂したかと思えば、ビチャっとエリコの全身に降り掛かった。血や臓物ではない。やはり、これも茶色く臭気の立ち込める物だった。もう、言う必要も無かった。
彼女は呆然としていた。夢と希望に溢れた始まりになるハズだった。現実はあまりに醜く、臭かった。こんな物がダンジョンであって良いはずがない。
「どうして」
こんな体験を他の人間にさせて良い訳がない。悲劇は自分で終わるべき。と、言う心がある一方。もう一つの気持ちも湧いていた。
どうして、自分だけがこんな目に遭わないといけないのか。いや、このダンジョンが残っていたことが正に正になのだが。きっと、このダンジョンを足掛かりにしようとした者達は思ったはずだ。
「お前らも苦しめ」
そして、彼女は。手にしたショートソードを自らの胸に突き立てた。探索者を夢見た少女の初冒険は、あまりに凄絶な終わりを迎えた。
――
「良し!」
「良し。じゃないが」
再びやって来た冒険者が絶望とウンコの沼に沈んで諦めたのを見て、俺はガッツポーズを取った。バフォーは信じられない物を見る目で俺を見ていた。
「今は探索者も飽和状態だから、俺が見切りを付けさせてやっているんだ。これが社会の荒波ってやつなんだ」
「お前は頭がおかしい」
悪魔からも認められるレベルでおかしいらしい。だが、俺がこのために努力して来たことを奴も知っているハズだ。
「どうして、そんなひどいことを言うんだ。俺が、このトラップ類を全部受け止めて来たのは見て来ただろう。そこまでの覚悟をしているんだ」
「貴様は精神状態がおかしい」
冒険者だけに一方的に暴力を浴びせて良い訳がない。と言うことで、俺も既にウンコ塗れトラップもゲロ放射も食らっている。
「まぁ、ウンコ部分は俺の『スキル』担当なんだが」
「『BB劇場』だったか? 全く、全容が分からんが」
「ネットで俺をバカにされた分だけ強くなるって能力だよ。ヒヒヒ。『ウンコBB』のお陰で、夢と希望に溢れた連中を砕けて楽しすぎるぜぇええ!」
「本当のモンスターは、人の心の中にこそ住まうのかもしれないな」
「うるせーぞ! 悪魔の分際で!!」
この悪魔は変に倫理観があるから困る。ダンジョンが稼働を始めてから5日目。未だに、この初心者向けダンジョンは難攻不落と化している。
俺のTSの為に。志を持った若者の未来を食い潰すことになるが、これは1つの復讐でもある。このまま30日、防衛しきって見せる。と、誓いも新たに。俺はダンジョン内の2階部分に向かった。
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