煉獄のナランに鎮魂歌を...
赤星サキ
第1章 始まりのナラン
第1話 いつもの遊び
「ほら早く追いついて来なよ!!ナラン!!」
「クッソー!!待ちやがれ〜フラッド!!」
「待ってよ〜置いてかないでよ〜」
小さくも豊かな村─フォール村で3人の子供が遊んでいた。2人を背に颯爽と駆けていくフラッド、フラッドに追いつこうと必死に走るナラン、その2人に頑張ってついて行くリラ。
いつもの小川近くの開けた空き地に到着するまでの競走は、今日も今日とて行われる。
「よっし!!また僕が1番みたいだね。」
「クッソォー!!また負けたあああ!!」
「2人とも速いよぉ...私が勝てるわけないのにぃ...」
そしていつもの順位で空き地に到着する。フラッドが駆け抜け、ナランが必死に追って、リラがやっとのことでゴールする。遊ぶとなったら定番の勝負となっていた。
「じゃあ後で1つ言うこと聞いてくれよ2人とも。」
「お前いっつも勝ってお願いしてるんだから、たまには負けたらどうなんだ!!」
「昨日みたいにおやつ譲るのはいやだよぉ」
「大丈夫だよリラ、今日は2人で食べよう。ナランのを分けてさ」
「おい!!俺のおやつを奪おうとすんじゃねぇ!!」
空き地で遊んだあと、小川で涼み、持ってきた木の実を食べる。これが3人での過ごし方となっていた。
「さっそくだけどナラン...始めようか。」
「おっしゃー!!かかってこいやぁー!!」
「じゃあ私はそこで休んでるねぇ」
遊ぶといっても、まずはこの2人が戦うことから始まる。空き地に置いてある木剣を持って、互いに用意を整える。
「よーし!!今日は勝ってやるからなぁ!!フラッド!!」
「またお父さんと稽古したんでしょ?どれくらい上達したか見せてくれよ」
「それじゃあ両者構えてぇ〜始めぇ〜」
リラの合図によって始まりとなり─
「おらァ!!」「ハッ!!」
お互いの木剣が激しくぶつかり合う。両者一歩も引かず鍔迫り合いとなる。
「ナラン!!結構力が上がったじゃないか!!」
「うるせぇ!!そう軽々と受けられて嬉しくねぇよ!!」
なぜこうも戦うのかというと、2人の父親は元冒険者であり、父親同士が模擬戦するところを観戦したりもしていた。そんな姿を見て憧れたことでその子供達もこうして競い合う様になっていったのだ。
「クッソ!!これじゃあ埒が明かねぇなぁ!!」
「うーん...じゃあ次は魔法勝負と行こうか!!」
「あっ!!この野郎ォ!!離れんな!!」
ナランの剣を受け流し、距離をとったフラッドが右手に魔力を集める。
「水よ...我が手に集え...【ウォーターボール】!!」
「えーと、魔力を手に集める感じで...火よ!!我が手に集え!!【ファイヤーボール】!!」
水の魔力を持つフラッドと、火の魔力を持つナラン。
両者の初級魔法がぶつかり合い相殺される。
「だいぶ魔力を扱うのも上手くなったねナラン」
「へっへーん!!それ見たか!!やっと慣れてきたぜ!!【ファイヤーボール】」
「けど、まだ先のことを考えれてないみたいだね」
「んなぁ!!」
水と火、相殺された2つの魔法から水蒸気が上がり、互いが見えずらくなったところを、ナランの後ろに回ったフラッドが足払いをする。
「ぐぇっ!!」
「これで僕の勝ちだね」
「クッソー!!こっちでも負けたー!!」
剣を突きつけられ完全に勝敗が決定する。
「勝者〜フラッド〜2人とも頑張ったねぇ」
「いい感じだと思ったのによー!!」
「昨日よりだいぶ操作が上手くなったじゃないか、誰かからコツでも聞いたのかい?」
「母ちゃんに聞いて教えてもらった!!けどよくわかんねぇからなんとなくだけどな!!」
「魔力の操作をなんとなくでできるのすごいよぉ」
「うん。まさしく感覚派って感じだね」
こうしていつもの勝負は、ナランの敗北によって終わりを迎えた。
「じゃあ〜次はなにしよぉ〜」
「そうだね、リラが決めていいよ」
「おい!!もうちょっと休憩させろ!!」
こうして3人は別の遊びを始め、程よく疲れたら小川で涼み、おやつを食べて、日が暮れるまでまた遊び始める。これがいつもの過ごした方だった。
─初投稿です。こういうのも初めてでどんな感じにすればいいかもわかりませんが、精一杯頑張りますので是非ともよろしくお願いします。m(_ _)m─
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます