エターナル

かさは てこ

プロローグ

決意

ざわめく人混みの中でで「彼」はゆっくりと目を覚ました。

耳に届く話し声、すれ違う人々の気配。


「嗚呼、また死ねなかった。」


そう「彼」が呟いた。しかしそう言った「彼」の顔には不快感などは一切なく、嬉しさとも悲しさともつかぬ表情を浮かべていた。黒い髪と黒目に整った顔をしているその少年は困った感じを出しながら、

「まったく………あいつらは、まあいい。」


彼は肩を竦め、ぼんやりと空を仰ぐ。

遠くから、ざわめきと視線が刺さる。


「それにどうやらまだ鬱陶しい視線もあるようだしな」


―今度こそは死ねるように、この辛く苦しい永い時間に終止符を打てるように、そんな願いと共に一つの考えが頭に浮かんだ。

「神にでも………降臨してみるか」

「あいつらみたいな神ではなく、自分が理想とする"神"に」


そう呟き、彼は決意を胸に秘め、人混みのなかへと歩き出した。

まるで――終焉へと歩むように。

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