第1話 え、これが噂の異世界転生ってやつ?
はい、現状を飲み込め切れてません!フェルト•ルーテンバーグです⭐︎
いや、です⭐︎じゃねえよ!!!どこ?ここ、え?俺死んだ感じ?いやいや、そしたら今の俺はなんなんですかって話だろ。
「っふぅー」
そう、とりあえず落ち着こう。まず、状況確認から俺は子供庇って死んだ。…この時点で意味がわからないけどいったん置いといて、そして知らん部屋の知らんベットに体が小さくなって寝かせられてた、と。さらに、事故前の記憶がない代わりに、今世?の記憶が流れ込んできてます、っと。
「どうなってんだ、これ」
これは、あれだ。考えたら負けのやつだ。夢ならいつか覚めるし、うん。
とりあえず、
「寝るか!」
考えて疲れたし!時間を置けば好転する時もあるよね!!
…さっき、坊ちゃまが目を覚まされてる!って慌ててた人はどこいっちゃったんですかねー(棒)
◇◇◇
えー、結果から報告すると何にも好転しませんでした。はい。なんか、外はバタバタしてるし、次に誰か部屋に入ってくるまで情報の整理でもしてるかぁ。
えー、俺の名前はフェルト•ルーテンバーグ。ルーテンバーグ伯爵家の三男でもうすぐ3歳になる。家族は、母親1、父親1、兄2で、夫婦仲は良くも悪くも政略結婚って感じ。兄弟間にもそんな交流ない感じだし、終わってやがる。そんな、ネグレクト?気味の俺にも味方がいる。それは、さっき慌てて部屋を出ていった乳母のマーサだ。どうやら俺はもうすぐ来る誕生日にはしゃいで階段から落ちて思いっきり頭をぶつけたらしい。いや、ダサい!ダサいよ俺!どんなドジだよ!手つけよ!!
そんなふうに悶々としているとうちの主治医(多分)のヤックを連れてマーサが戻ってきた。
「坊ちゃま!許可も得ず失礼させていただきます。先生!さあ、こちらに、早く見てくださいな」
「はいはい、マーサさん落ち着いて。」
そう言いながら白い髭をはやした好々爺といった見た目の医者が入ってきた。
「では、フェルト坊ちゃん。これからちょっとした簡単なことをお聞きします。」
こくりと頷く。それから本当に簡単な質問をいくつか答えて診察は終了した。
「うん。大丈夫そうですな。まだ、目覚めたばかりですので無茶はせず安静に過ごしてください。」
「先生、ありがとうございます。」
「いやいや、仕事ですからな。フェルト坊ちゃん、また誕生日前に一度伺わせていただきます。何かおかしなところがあったらすぐにマーサさんに言うように」
では、とヤック先生は去っていった。おかしなところっていたらこの前世?の記憶だけどこんなの言うわけにもいかないしなぁー。
「フェルト坊ちゃま、本当に目が覚めてよかったです。3日間も眠り続けていたんですよ?」
「3日間も!?」
よく生きてたな!3日間って何気に2歳児が耐えられる領域じゃなくない!?
「どうりでおなかすいてるわけだ。まーさ、水となんかたべるものちょうだい」
「はい、水はこちらに。ご飯は、今重湯をリンダに持ってこさせてますからね」
リンダ…あぁ!俺と仲良かった侍女か!
まあ、深く考えなくてもうまくいきそうだな!マーサは優しいし!屋敷の人たちとは仲良くしてたみたいだし!
俺は、今後起こることなんて知るすべもなくただ呑気にマーサと喋りながらリンダを待っているのだった。
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