第11話 冬季喝采
光る湖の上
漕ぎ行く小さな小舟
冷たい飛沫は
輝く宝石
北風に背中を押され
よく澄んだ空を目指し
口からこぼれる冷気が
空の白さと調和する時
この世界に生気が生まれる
モミやトウヒが彩る街並みを
夢見心地で踊り抜け
すっかり冷え込んだ
心の奥底に灯が灯る
だれてよれた日々も
いつしか遠い過去になる
だけど
モノクロになったあの頃に
再び色を与えてくれる
センチメンタルの訪れ
そんな季節がやってきた
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