第9話 沈むとき

午後五時 仄暗い新宿

駅を行き交う人の背中に

紅い光が差し込む


今日という日の残り香が

街に立ち込め始めた時

それを求めて西へ駆け出す


帰宅ラッシュ

夕方ニュース

夕焼チャイムを聞いた

それは遠い昔の僕だった


夕焼けよどうかこのまま

荒んだ大人の心を暖め治して


少年よ夕日はつかめたか

やがては西の空も暗くなるから

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