第18話レジエミールの町に来たはいいが

 そんな訳で、レジエミールの町にやって来た訳なんだけど……。


「ねえ、多すぎない? なんでこんなに人が多いの?」


「……召喚士が狩場にしているんだろうな。だからべらぼうに人が多い」


「今日の狩りはどうするの? 中止にするのは勿体ないよね?」


「勿体なさすぎるな。……ちょっと危険だから止めた方がいいかもとは思っていたんだけど、今日は中止にして、泊り仕度を整えるか」


「え? 泊りで? 何処に?」


「高原に。天使高原に泊まるんだよ。まあ、端っこの方になるとは思うけどな。それの買い出しとか、その他諸々もをやっておかないといけないとは思う。天使高原って、もの凄く広いから、端っこの方でなら、泊っていても危険じゃないし、そもそも、俺たちの場合、ダメージを与えられないから、問題はない訳だ。……それでも、危険とは隣り合わせだし、夜も危険だからな。出来ればそんな事はしたくなかったんだけど、この調子で狩場に向かえば、競合するどころの話ではなくなるからなあ。普通に考えて、この町が召喚士が多すぎるんだよ。……いや、マジシャン系もこの町には多いかもしれないな。エンジェル系統のパワーは、魔法耐性が弱いんだ。それでも無属性魔法であれば、聖属性をカットしてくるから、ある程度は無いといけないんだけど、それでも1000もあれば、余裕で1撃だからな。殆どが回復魔法と物理攻撃しかして来ないし、そもそもノンアクだからな。1撃で倒せるなら、こんな良い狩場は無いんだよ。だから、召喚士もマジシャンも集まってきているんだろうな。ファイターは役に立たないだろうから、他の場所で何とかするんだろう。それか、何かあった時の為の盾になるくらいは出来るからな。ここでならレベルを上げるのも簡単だろうし、人気がある狩場ってのも解るけどな」


 マジで面倒だな。完全に予想外の展開だ。ここまで多いと、割って入るのだって難しいし、そもそも流れ弾も普通に飛んでくるだろうからな。INT極振りにしているのであれば、命中率が悪いんだろうし、普通に予期せぬところに飛んでいくだろう。それでも、1撃で倒せれば何の問題も無い訳で。それを繰り返していたら、レベルは上がるだろうが、契約をしたい俺たちにとっては最悪の環境でしかない。今までは不人気というか、そこまで気にする狩場でも無かったんだけど、ここに関しては、長い出来ないかもしれないな。まあ、パワーはCランクなので、確率的に言えば、20000体も用意出来れば、セラフィム10体は行けるとは思うんだけど、そう言う事でも無いんだよな。経験値を稼ぐのは、何処でも良いから、ここでは無難な行動を心がけようかとは思っていたんだが……。


「泊りかあ。経験値的にはどうなの?」


「断然泊りの方が良いに決まっているな。泊りって事は、夜も狩りが出来る訳だ。まあ、暗くて俺たちじゃあ危険なんだけど、デーモンロードたちにとっては、闇なんて無いに等しいからな。そんな状況でも狩りは出来る。召喚獣任せになるけどな。出来るだけ端っこで泊まるから、危険は少ないとは思うし、そもそもノンアクなんだから、スタンピードが起きなければ、そんなに問題になることは無いんだよ。しかも天使高原をスタンピードさせようと思えば、かなり厳しい条件を突きつけられるんだ。そんな事は不可能だし、俺たちがどうこうしたところで変わらないとは思うけどな」


「そうなの? ここでのスタンピードってどうやったら起きるの?」


「天使高原のど真ん中に、門がある。それを開けっ放しにすると、スタンピードが起きる。スタンピードが起きれば、最悪はセラフィムが何百もやってくるようになる。……まあ、召喚士では勝てないんだけどな。セラフィムも魔法に弱いのはそうなんだけど、それでも聖属性は無効化されるから。あ、聖属性については、俺たちじゃあ扱えない属性だから無視していいぞ。エンジェル系統しか使えない属性だから。だから、カットする事は出来ないし、研究も出来ないはずなんだよ。まあ、無効まで育ってしまうと、無属性がもう意味をなさないから一緒なんだけどな」


 聖属性は、人間では扱えない属性になっている。回復魔法は光属性に分類されている。だけど、エンジェル系統の中には、聖属性の攻撃を行うものも居るんだよ。どうあがいても人間には扱えない属性なので、どうでもいいと言えばそうなんだけど。因みに、デーモンもそういう属性があったりする。悪属性の攻撃を行ってきたりもするんだよ。まあ、気にするだけ無駄だけどな。MNDで受ければ、怖いものは無いんだから。何のためにVITとMNDを上げたのかって話である。何かしらの事故が起きた時にも、対処できるようにするためなんだよ。早々に上げないといけないものでも無いんだけど、上げておく方が得だと言う事だな。どうせ最後には上げるんだ。今から上げておいても損はない。どうせ攻撃が利かなくなるのは一緒だからな。


「そんな訳で、明日は泊りの道具を探しに行くぞ。もしかしたら、14歳の人たちは、今一生懸命に泊りでレベルを上げているのかもしれないけどな。普通にやっていたら、レベルを移譲する召喚獣が居なくなることもあるだろうし。全員のレベルを100まで上げてしまったら、何も出来なくなってしまうだろうからな。そんな後先考えないような育て方をしているのが悪いんだけど。とにかく、最低でも20000体は契約したいし、多ければ多い方が良いからな。明日は準備に当てて、明後日から狩りにしよう。そうした方がいいのかもしれない」


「解った。でも、泊りかあ。危なくないのかな?」


「危険ではあるから、夜番はやるからな? 誰かから攻撃されるかもしれないんだし、見張りは必要だ。まあ、ここには召喚士が集まっているんだろうから、デーモンロードを1体、側に置いておけば良いだろうとは思うけど。でも、出来るだけ人間との争いはしない事だ。出来るだけな」


「そりゃそうだよね……。じゃあ、今日は色々と買いに行こっか」


 そんな訳で、アーリアと買い物に出かけた。……食料品もそうだし、テントも必要になってくる。それを持ち運ぶにも、色々と道具が必要になってくる訳だ。面倒だが、そうするしかない。それで何とかするしかないんだよな。因みに、泊りの道具は沢山あったぞ。皆考えることは同じなんだろう。夜も狩れれば、効率が良くなる。それを実行している人が何人も居ると言う事なんだ。……俺たちとは事情が違うだろうけどな。


 召喚士はレベルの高い奴を信用してはいけないんだよ。ここにいる召喚士は、レベルが10000を超えている人が殆どだろう。そのくらいに、雑魚を契約していなかったと思うんだよな。普通に考えて、バグのある状態の召喚士で、INT100000は簡単すぎる。あっという間に育ってしまう。それなのに、1000000と言わなかった理由が知りたい。あるいは、もう1桁増やしたって実行可能だともいえるんだよな。極振りをしてしまえば、難しい事でもあるんだけど、それだけのレベリングはここで出来てしまう訳だからな。1日で、効率よく戦えば、軽く20000レベルくらいは稼げるはずなんだ。0から1を往復しているくらいの量であれば、猶更だな。そのくらいの事は、余裕で出来てしまう。簡単にINTの条件をクリアしてしまう。そんな難しい事でも何でも無いからな。出来るか出来ないかで言えば、出来てしまうのがこの場所だ。レベルを移譲出来る環境が整っていれば、なんだけどな。それが出来ない人たちが、ここには沢山居る訳で。少し考えれば解ることもあるんだけどな。

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