女子高生の倒し方(1/2)
浅川 六区(ロク)
女子高生の倒し方(1/2)
「ねぇねぇ夏ちゃん、あのね、すんごいレア情報があるの。あまりにも凄過ぎて、
菜々美ちゃんと私夏子は幼稚園の頃からの親友で、親同士も大の仲良し。
しかも、たまにお互いの家をお泊まりしたりすることも。
そんなベタベタな間柄でもありながら、たまたま知った程度の情報を話すだけなのに、三十円もの
いやこれは単なる
もっとほら、こう、軽ぅーく、さらぁーっと教えてくれなきゃね。
でもこれだけはジブンの中で確認しておく。
…そんな菜々美ちゃんを私はキライではない。
「え?さ、三十円の情報?そっか、三十円か…あ、いや三十円位なら今すぐにでも手持ち現金があるから用意出来るけどさ、その情報って、私に有益な内容なの?もしかして、氷川神社の軒下の猫が仔猫を産んで、今行けば猫まみれになれるって、そんな古い情報ではないよね?」
「ううん。違うよ。猫まみれ情報は私も一昨日、里美ちゃんから四十円で買ったから知ってるけど…」
「え?里美から四十円で買わされたの?」
私が里美に二十円で売った情報なのに…あの女、やりおるな…
「あのね夏ちゃん、私が仕入れた情報というのは、ロク君がね…」
「あああ――、菜々美ちゃん、ロク君がらみの情報だったら先にそう言ってよもー。
と言い、私は菜々美ちゃんに五十円玉を一つ手渡した。
「あ、はい情報料ね。五十円だからお釣りは…」
「菜々美姫、お釣りは要らないよ。その情報、五十円で買い取るから」
「え?そうなの?五十円って言ったら、私たち小学生女子の情報取引の上限額だよ。高額過ぎるよ…
※公取=公正取引委員会
「ちっちっちっ、良いの良いの。それよりもそのロク君情報、掛け値なしに、
そのまんま教えて頂戴ね」
「あ、うん。もちろんだよ。でね…そのロク君がらみの情報だけど…」
「うんうん。はよ」私はその瞬間、完全に冷静さを失っていたのが分かる。
菜々美ちゃんは呼吸を整えてから、『Y』と書かれた国民的乳酸菌飲料を一口だけ
「あのね…これは消息筋から聞いた話だから信頼性の高い情報なんだけど…
夏ちゃんが
第二話へ つづく
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