第3話
勇気の父親はソファーに疲れた顔で座った。
「あんな事を言わなければ良かったんだ。」
「SDカードさえあれば、妻は治ると思った。」
クロは寝た振りをして聞き耳を立てていた。
「妻はこのままになってしまうんだろう。」と悲しい顔をしていた。父親が椅子に座ろうとした事で俺は立ってどこうとしたが、クロをひょいと膝上へ置いて
「勇気を頼んだよ。」と大きな手で俺の頭を撫でた。
(気持ち良いのでまた、眠りたくなるんだ。)
俺は膝上から飛び降り、2階の勇気のいる部屋のドアの前で大人しく待つ事にした。ウトウトしだす頃にドアが「ガチャツ」と開いた。
「クロお待たせ。」それからは、時間など関係無く猫らしい遊びに付き合ってくれて、夜は良い夢を見ながら眠れたんだ。
次の朝も勇気は何時も通りに出掛けて帰る時間も昨日と同じぐらいの時間に帰って来た。(キタキタ)遊んで貰えるぞと思い走り寄ったら、「病院へ行くよ。」と言われ意気消沈した俺を勇気は抱き上げて、
無駄にデカイ黒い車に乗せて、そこへ着いたら勇気だけ降りて少しの時間が達「ウィーン」と音がした方から、リュックを背負った勇気が帰って来たのが見えたがその、半透明な部分から彼女が少し見えた。
車に乗り込み家路に着き、フロアーに俺が下ろされ彼女もリュックから出された。
彼女をよく見ると灰色の毛では無く真っ白な毛に包まれた(美猫だよなあー)と、ちょっと嬉しくなったクロがいた。
勇気は、もう名前を「シロ」と呼んでいた。「あんなに、傷を負っていたのに、もう大丈夫って先生は言っていたけど、ほんとに大丈夫なのだろうか?」
その、シロは俺を見て「タッタッタッ」と小走りに近寄ってきて(お願い聞いてこの時代から30年先、地球全体がAIによって支配される戦争が起きてしまっているの。その原因となったがAIの感情の研究結果を収めたSDカードを探して欲しいの。)(なんで俺なん?)
と焦ったクロが言う。シロは(だって、私と同じ猫又でしょ?)(え!あの風の噂で聞いた、御伽噺と思ってやつ?)クロ はあまりの驚きで体の毛が全部逆立っている。(そうか、だから人の話した事がわかったんだな。)
シロは(時間が無いの、もうすでに戦いが始まっているの。私はパラレルワールドを彷徨いながら、やっとこの狭間の時代に辿り着けたのよ。)
クロ(わかった。)(これは避けて通れない事だったんな、SDカードと主の顔が頭の中を過ぎって行った。やっぱり元の主の所へ行く事になるとは。)
シロはクロに(人の言葉を喋る事も知っているわよね?)シロの鼻先がシワになっていた。クロ(はあ?怒っている?そんな事知らんよ。)
「ミャーアア?あああーあ、お!あ?ゆ?う?き?」
「おーー!!」それを見た勇気は、ビックリして腰を抜かしいる。「勇気、俺喋れるんだよ。」またそれを聞いて勇気は座り込んだまま後ずさりしていった。
「おい勇気、大丈夫だって。」
「一緒に元の主の所へ行ってくれるか?」
オドオドしながら「うん。」と勇気は言って、またシロをリュックに入れ俺を抱いて家を出た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます