第8話 この感情はなんですか?

やばい。中野くんのことが頭から離れない。

考えないようにしようと思えば思うほど、余計に考えてしまう。

今日も中野くん、いないかな……

いやいや、ちゃんと集中しなきゃ!


そう意気込んでステージに出た。


――いた。

でも手にしていたのは黄色のキンブレ。


少しだけ、期待してしまっていた。

私の青を振ってくれているんじゃないかって。


……そうだよね。あくまで会社の上司だもん。


沈んだ気持ちを誤魔化すように、

いつもよりレスを多くしてみたり、目線を送ってみたり。


――違う。これは好きとかじゃない。

ファンを増やすため。そう、自分に言い聞かせる。


ライブを終えると、どっと疲れが押し寄せた。

寝る準備を済ませてベッドにダイブする。


『黄色……あの子が推しなのかな』


唯一なんでも話せる相手、クマのぬいぐるみ・べべりんに呟く。


中野くんが誰を推しててもいい。

そのはずなのに――


『……なんで、こんなにモヤモヤするんだろ』

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