第1話 もう恋なんてしない…なんて言えない!!
今日は高校最後の日。
何度も練習させられた卒業式もついに本番。だけど全然集中できない。
好きだったなぁ、、
昨日振られたばかりの福村さんの背中を見つめながら心の中で呟いた。
本当に心の声が周りに聞こえなくて良かった。校長先生の長い話なんて、右から左に抜けていく。
入学式の日に一目惚れした。
そして二年のクラス替えで、同じクラスに名前を見つけた瞬間、胸が弾んだ。運命だと信じた。
それからの毎日が輝いていた。
眠そうな顔、体育祭で応援する姿、文化祭で誰よりも準備に励む姿。気づけば目で追ってばかり。
だけど噂で聞いた。サッカー部の先輩と付き合っているって。
「あぁ、やっぱりそうだよな」
自分に言い聞かせて気持ちを押し込めても、やっぱりまだ好きで。ベッドの上で彼女のインスタを眺めながら、心の中で呟いた。
まだ好きじゃん、、
外では桜が散っていた。いかにも卒業式日和で、なんだか切なくなる。
半年前にその先輩と別れたらしい。
噂を聞いて、昨日、臆病な俺はメッセージで想いを伝えた。結果は予想通り。振られた。
片想いは楽しいなんて聞いたことあるけど、そんなわけない。
苦しくて、辛くて、もう二度としたくない。
そう思っていたのに、、、
『次は、今人気急上昇中のアイドルグループ、HoneyRibbonさんです!』
とテレビから女性アナウンサーの綺麗な声が聞こえた。
ハニー、リボン、?
聞いたことないけど今人気なのか。
と画面に目を向けると
!!!
身体中電流が走ったような感覚に襲われた。
画面越しでしか見ていないのに圧倒的オーラを放つセンターにいる子。
富田莉々、、富田莉々ちゃんって言うんだ
端の方に映っていても歌っていなくても後ろを向いていても、どこにいても富田莉々ちゃんから目が離せなくなっていた。
気づいたらHoneyRibbonと富田莉々ちゃんを片っ端から検索してSNSのアカウントを探してMVを見て、、
朝になるまでその手は止まらなかった。
数時間前に知った画面の向こうの彼女が、俺の世界を変えてしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます