編集済
解説への応援コメント
企画主催者です。
なるほど、精神疾患ですか。後半まで、私は「超人的なAIに意識は宿るのか」というテーマだと誤解していました(汗) 一応、超人的なAIと思われていたものが、実は人間の脳みそを使っていた――というパターンも疑っていましたが、見事に無関係でしたね。マヌケは見つかったようです (; ・`д・´)
カウリンは間違いを犯さないはずなので、主人公によるカウンセリングは、間違いを犯さないカウリンに薬物の使用を認めてもらいたかった、という動機に根ざしているものと仮定して、これからの感想を列記していきます(私の理解は、社会にカウリンが登場する前に、主人公は薬物依存に陥っているというものです)。
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Ⅰ、作品の方向性について
SFに学際的な定義は、恐らくないでしょうから、SFと言い張ってもいいように思います。言い張るという表現に他意はありません。ほかの読者にいちゃもんをつけられても、気にするなという意味合いです。
ただし、科学的知見に裏打ちされた作品というよりも、ホラーのような驚きに近いことは否めないでしょう。もっとも、短編で、自然科学からの妥当性を保証するのは、正直、困難ではないかという気がしてなりません。
解説を見れば明らかなように、seihoさんは、本作が「未来の話」であることを重要視していますが、私には、近未来である必然性が乏しいように感じられました。というのも、御作で肝心なギミックは――
①:主人公が劣等感/罪悪感などの負の感情を抱えている
②:主人公は、潜在的に上記の感情を払拭したいと考えている
③:主人公は薬物依存症である
④:②③の結果、主人公は自分を肯定するような妄想をしてしまう
――このような構造だからです。
④は具体的には、カウンセリングという形を取っていますが、ここでの「2141年の未来」という設定は、カウリンを「間違いを犯さない存在」に仕立てあげるための、おまけにすぎません。究極的には、カウリンは主人公の頭の中だけの存在でも構わないのです。
それは、次のような言い方ではっきりするでしょう。
主人公は”現代”の患者。2141年の未来に存在するロボットと、自分が入れ替わるような幻覚を見ている。
実際、本作は一人称視点で語られるため、どこまでが主人公の妄想で、どこからが現実なのかは判然としていません。通常であれば、主人公の語り口から世界観の説明をなされ、これを読者は「正確な情報」として受け取ります。主人公はまともな存在だからです。
しかし、御作は物語の終盤で、ある意味では叙述トリックのように、この前提が覆されます。主人公は信頼できない人物だったのです。ゆえに、主人公から語られた説明は、どこまでが正しい情報なのか、読者には確信を持って判断することができません。
相談者の悩みが現代的なものなので、カウリン自体を主人公の妄想の産物としたほうが、作品としての通りが、よくなるんじゃないかと思わないでもありません。無論、これらの悩みは現代的なものにしたほうが、読者にとっても状況を想像しやすかったので、仮にseihoさんが、近未来の悩みを正確にイメージできるのだとしても、採用しなくて正解だったでしょう。
近未来の設定を活かしたまま、改稿するのであれば、私なら次のようにします。
①(前提として)子供時代や青年期は、現行のものと同じだが、すでにカウリンのプロトタイプが存在している。
②(前提として)社会人でのカウンセリング時、主人公は薬物依存を発症していない。だが、ここで主人公はカウリンによって、不適切な薬物の使用を勧められ、被害者となってしまう。これにより不可逆的な脳の障害を負った主人公は、以降、妄想癖の強い精神疾患となる。
③原作の流れを踏襲し、主人公はカウリンとして相談者(過去の主人公)をカウンセリングする。ただし、子供時代では、主人公のカウンセリングは、カウリンによるアドバイスではなく、カウリン側を手助けするという形を取る。つまり、カウリンは岡田美智男さんが言う「弱いロボット」のようにふるまう。青年期では、同年代の友人のようにふるまう。これらのふるまい方の違いは、カウリンが試作品であり成長途中にあるからでも、相談者本人の意思を尊重したいからでも、どちらの理由でも構わない。
④社会人の相談者を肯定しようと、カウリンとなった主人公は、カウンセリングとして適切な助言をしようとする。だが、実際に口から漏れるのは、不適切な発言である「薬物の推奨」だった。
⑤主人公の妄想から、現実の世界に場面が転移。主人公の手元には、被害者の救済を示唆するような、非公式の通知書がある。
⑥主人公は、自分の妄想癖を緩和するための薬を使う。
⑦いまだにカウリンは、間違いを犯さない完璧な存在として、社会に普及している。
⑤と⑦が、近未来という設定に意味を与えようとするものです。これらを主人公の視点で描いてしまうと、やはり読者にとっては、それが正確な情報なのか判断できません。なので、世界観の説明は、三人称視点で行います。主人公がカウリンになっている部分だけ、主人公の一人称視点で、臨場感を加えるという具合です。
原作との最大の違いは④と⑥でしょうか。私は、間違いを犯さないカウリンに肯定されたいという妄想だけでなく、現実のフラッシュバックも追加してしまおうと思いました。また、妄想を薬物の副作用ではなく、脳の障害に由来するものに変更しています。
もっとも、上記の代案も不完全です。
無謬であるはずのカウリンが間違いを犯すとすれば、社会に導入された直後のはずなので、主人公は子供時代に、精神疾患を発症していなければ不自然です(プロトタイプが無謬のものとして成長するには、時間がかかるという工程は、私なりの言い訳でしかありません)。
Ⅷ、誤字・脱字
>>「こんにちは。カウンセリングロボット、カウリンです。……なにか辛いことがあったのかな?
誤字というほどではありませんが、上記の疑問符「?」のあとに、空白が抜けています。ほかのところでは、スペースを設けていますので、恐らく挿入し忘れたのでしょう。
Ⅵ. 良かったところ
ひょっとすると、「主人公の語っている情景が、実は主人公の妄想でした」という構図自体は、メジャーなものかもしれません。ただし、当座のアイディアを表現するものとしては、十分な内容だったと思います。オリジナリティーというものは、全く新しい構図を作ることではなく、既存の構図に、どのような要素を追加していくのか、という部分にあるはずだからです。かぶっていることは、問題ではありません。
カウンセリングや精神疾患(薬物依存)が、本書の主な内容だとは思いますが、主人公がロボットになったという設定は、AIや意識などの領域にも隣接していますので、事実に即した自然科学的な話を広げる余地は、幸か不幸か、大量に残されていると言えるでしょう。どうして若者が薬物に手を染めてしまうのか、という切り口でアプローチするならば、社会福祉とも重なる部分が出て来そうです。学術面での伸びしろは大量にあります。私なら……ちょっと途方に暮れますかね (՞ . ̫ .՞)"
seihoさんはまだ中学生ということで、自然科学などの体系的な知識には、アクセスしにくい環境にあるかと思います(たぶん)。ロボットと置き換わるという着想自体は面白いので、今後、本作に合致しそうなアイディアが浮かんだ際には、是非とも本格的なSFへの道を、切り開いていってほしいです。
少なくとも、私が中学生の頃の作品は「女の子と一緒に花火を見ました。楽しかったです」みたいな内容だった気がしますので、それより示唆に富んでいることだけは間違いありません。よく考えると、私は今も「女の子と一緒に○○しました、楽しかったです」の延長線のような作品しか作ってない気がしますね……あれれ、おかしいな 🤔
作者と答え合わせができるので、個人的には、解説の存在はかなり好印象です (*ゝ∀・*)b
Ⅶ、個人的な質問
中学のときに私が書いていた作品からも明らかなように、私はアホらしい作品だったり、中二病的な作品を好んで作っています。それに比べると、seihoさんは硬派な好みをしているように思います。薬物依存などの精神疾患に関心を持った理由は、何かありますか? よければ、教えてください。
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以上が感想となります。「××の部分はどうだったか?」のように、追加で私に聞いてみたいことなど、何かありましたら、返信欄でお知らせください。ただもう、私のクソザコ脳みそからは、絞っても何も出て来ない気がします :;((•﹏•๑)));:ビクビク
このたびは自主企画への参加、ありがとうございました ٩(ˊᗜˋ*)و
追記:誤字・脱字の項目を、誤ってⅢとしていましたので、Ⅷに修正しました。
作者からの返信
返信が遅くなってしまい、申し訳ありません。
御咲花すゆ花さん、この度は本作への感想を書いていただき、本当にありがとうございます!!!
・ジャンルについては、ホラーに変更してみました。
SFよりもホラーのほうが、確かにストーリーの中心により合っていると感じました。
・代案もありがとうございます。
とても面白そうだと思いました……!
今後、新しいストーリーを書くときの意識すべき点として参考にさせていただきます。
・誤字(?)については、すぐに修正いたしました。
ご指摘ありがとうございます。
・薬物依存や精神疾患に興味を持った理由についてですが……、
私は性格的に、パチンコ・薬物・お酒・タバコといった“依存系”に弱いと思っているため、
その反動で強く警戒していた、というのが大きいです。特に意識するようになったのはここ数年ですね。
精神疾患についても、以前はあまり理解できず、「心の病気なんて大げさなのでは……」と思っていたのですが、最近、自分自身が心因性の病気になったことで考え方が変わり、興味を持つようになりました。
@2141年のカウンセリングルームへの応援コメント
企画主催者です。
まもなく御作の感想を書きおえます。
最終的な感想を投稿する前に、seihoさんのご意思を確認したく、このようなコメントを投稿している次第です。次の2つの質問に対して、お答えいただければ幸いです。
1,代案ついて
当然ながら、御作と一番真摯に向きあっているのは、作者であるseihoさんです。他ユーザーは、企画主である私を含め、seihoさんが本書で表現したかったことや、本書を通して挑戦したかった創作的な試みを、正確には把握しておらず、また、それを理解することも困難です。したがって、持論としましては「自分だったらこうする」といった代案は、正直、御作を改良するうえで役に立たないと思っています。
一方で、代案を全く示さないというのは、見方を変えれば、なんでも評者が好きなことを言えてしまうということでもあるため、それはそれで問題だと考えています。一応、いくつかの部分については、それがseihoさんにとって役立つアイディアであるかどうかはともかく、私なりの代案を考えてみました。ただし、これらは作者様が不要とするならば、駄文になるため、投稿するつもりがありません。
seihoさんのお考えをお聞かせください。
2,感想の複製について
最終的な感想を、今後の企画運営のために利用したく思っております。
これは、「この企画主(御咲花すゆ花)からいったいどんな感想が来るのか?」という疑問にお答えするための、言わばサンプルとして用いたいからで、拙著への誘導を狙っているわけではありません(他ユーザーが私のコメント履歴を閲覧できるなら、このようなことをしようとは考えておりません)。
御作に対する感想を公開する都合上、作者様や御作の内容に触れないというわけにはいかず、こちらの是非についても、作者様のご意思を確認したく思います。
許可していただけましたら、作品の簡単な紹介と共に、私の感想を複製し、場合によってはseihoさんによる返信を適宜編集したうえで、今後の自主企画開催中に公開いたします。作者様による返信は、「私の感想が不当だったケース」や「私が作者様に対して、工夫されている点等をお尋ねした際、作者様より頂いた回答を、より多くのカクヨムユーザーと共有するため」にのみ用いるもので、作者様の不利益にならないように努めるつもりです。
お手数ですが、こちらに関しても、seihoさんの方針をお聞かせください。お許しをいただけない場合であっても、企画内容や感想の内容に変更はありません。過去に開催した2回目と1回目の企画では、このような試みをしていないからです。
作者からの返信
1.代案について
ぜひいただきたいです。
他の方からの代案は、小説をより良くしていくうえでとても貴重だと思っています。
一人で書いていると視点が偏ってしまうこともあるので、いただけると本当に助かります。
2.感想の複製について
もちろん問題ありません。
御咲花すゆ花さんの今後の活動のお役に立てれば嬉しいです。
@2141年のカウンセリングルームへの応援コメント
seihoさん
はじめまして、わきの未知と申します。この度は自主企画「未知の短編」にご参加いただき、ありがとうございました。
非常に良かったです。私がSFに慣れているからかもしれませんが、解説に書いてあったことは、だいたい伝わっていると思いますよ。
中学生なのですか……? 私も10年ほど前、中学で初めて小説を書いたのですが、そのころを思い返すと、本作は素晴らしい出来で、将来が楽しみです。
ぜひ書き続けてくださいね。頑張ってください。
わきの
作者からの返信
わざわざコメントありがとうございます。
お褒めいただき大変嬉しいです!
解説への応援コメント
薬物依存の方が見ていた幻覚だとは
思わなかったです。
僕は主人公が実は瀕死の重症で
今までみていた光景はこれから亡くなる
人達なのかと思って読んでいました。
正解は全く違うので驚きました。
作者からの返信
驚いていただけて嬉しいです。
感想を書いて下さりありがとうございます!