GAME01 悪夢
血が流れる。
握っていた斧を僕は地面へと落とした。
「あ…え…?な…んで…」
視界に広がる教室の風景。
青く澄んだ空の下。
ネスト高校のとあるクラスではいつも通りのなんでもない日々が流れていた。
でもらそれは数秒前までの話。
僕はもう一度、教室を見渡す。
切られた腕、上あごしかない頭、まだ息の残る上半身、抜き取られた目玉、机に潰されて四散する内臓、血の混ざった昼ご飯、教卓の向こうに立ったままの下半身。
赤色に染まった教室。
「なんで…なんで…」
混乱状態の僕の脳。
理解を拒む僕に1つの記憶が流れ込む。
それは、ほんの数秒で数十人のクラスメイトと2人の教師を己の身体と重い斧で破壊するシーン。
まるで18禁のグロい映画が頭の中に流れ込むようだが、左手に残る、感触に目を向けると手の指にあったのは僕のクラスの美少女、「
「うわぁぁあぁぁあ!?!?」
左手の指が頭蓋骨を貫いて、脳にまで達しており、僕はそれを振り払って地面に叩きつける。
頭は床に叩きつけられると、口から血が流れ出した。
地面に転がる死体達を見ると、そこに見覚えのある人物ばかりだった。
見覚えのある死体36人と見覚えのある教師1人と身元のわからない下半身。
まだ脳が理解を拒む。
だって…僕は…
「おま…え…が…お…れら…を…」
「あ、ああああああ………!!」
すると、後ろにあったのは上半身だけの
僕は逃げるように、教室の壁へと背を付ける。
「ばけ…もの… 」
すると同時に、その上半身だけ残った拓は僕をみた後に目を空にさせて、その場にひれ伏した。
「た、拓…!!!!拓!!!!!」
僕は苦しみを孕んだ声で呟くが、その名前の人物は反応しない。
「あぁあぁぁぁあぁぁあぁぁあぁ……!!!!」
激しい吐き気と共に僕はうねり声を上げた。
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