ネット記事の画面コピー 2002年8月21日
―さて、前々回、前回に引き続き、京都府中埜宮市にて本記事を執筆している。筆者が中埜宮市内に滞在している間にも行方不明事件や、それに関連する奇妙な事態が続いている。本筋に入る前に、簡単に時系列を整理しておこう。
8月10日、F代さんが行方不明に。またか、と言った地域住民の落胆は色濃く町に漂っていた。しかしその4日後、思わぬニュースが飛び込んできた。F代さんが戻ってきたというのだ。これまで進展のなかった事件であったものだから、周囲の人々は何かしら新たな情報が齎されることを期待したことだろう。―しかし、今現在においても、解決の糸口は見つかっていないように思われる。これに関しては、前回のインタビュー記事を参考にされたし。
僅かな希望もつかの間、8月16日、G花さんが行方不明になった。忽然と姿を消した彼女について、とある情報筋より興味深い話が聞かれた。これまで行方不明になった児童らはいずれも、中埜宮小学校の同じ学年、同じクラスのクラスメイトだったという。しかし、このG花さんは、同じ学年ではあるものの、異なるクラスの生徒だったという。これが何を意味するのかについては、次回以降で考察を進めたいところである。
では、本題に進もう。今回インタビューさせていただくのは、匿名希望のとある男性である。実を言うと事件の発生当初よりインタビュー交渉を続けていた方で、今回ようやくそれが実現した形になる。この場を借りて、貴重なお時間を頂いたこと、また丁寧な情報提供を頂いたことにお礼を申し上げます。
[付記:以下、一部が黒塗りされていました。読み取れる箇所のみ記載します]
――では、「へびのみさん」という遊びについて聞かれたことがあると?
そうです。どうも子どもたちの間でそういうのが流行っているらしいと、我々の間でも話題になってまして。まあほら……こっくりさんみたいなものですよね、私が子どもの頃もそういったのが流行ってましたから。まあ、余程大袈裟な話にならん限りは、そういったんも見守ればいい……とまあ、思ってたんですけどね。
――何かあったんでしょうか?
へびのみさんっていうのが、川の……水辺の傍でやる遊びらしくて。それで子が一人流された言う話が出まして……、や、その子は近くの大人にすぐ助けられたんですけどね。そうなってくると大人として看過できない状態になってくるわけで……。そこで初めて「へびのみさん」の詳しいやり方……みたいなのを聞き取ることになったわけですね。
――それはどのような?
実は、子どもたちによって手順がばらばらで。よくある話かもしれませんが、どこから生まれたかもわからない遊びなもので、口伝される内に子どもたちの間で色々付け足されたり、内容が欠けたりしたんでしょうね。ただ、共通してる要素は分かりまして。
まず第一に、先ほども言いましたが「川や池といった水辺の傍で行う」。これは共通してますね。恐らくは、学校傍の「蛇吞川」が発想の元になってるようなので、実質的には蛇吞川の近くで行う、というのがルールのようです。
それから、次に、何かしらの掛け声を水辺に向かって行なうみたいです。子どもたちからよく聞かれたのは「お~い」とか、「遊びましょ」とか、とにかく、その水辺の向こう側に誰かいるような振る舞いをするんです。
それで……子供たちが言うには、返事があるらしいです。そこからはだいぶ子どもたちによってばらばらで、例えば「返事が聞こえたら川の中に引きずり込まれる」とか「もう会えないはずの人が川の向こうからこっちに歩いてきて、川の向こうに連れていかれる」とか。ただ少なくとも、その後は怪奇現象……みたいなのが起こるらしいです。
――連れていかれる、というのはあまり穏やかな話ではないですね。
ええ、ええ。実際にそれに伴う事故もあったことですから、かなり注意はしましたね。でも、まあ私も子ども時代を思い返せば、往々にして禁止されると却って水面下で流行するものでして……。
(付記:以下、恐らく故意に切り取られているようです)
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